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T教授の「戦略的衝動買い」 第530回

紙のような書き心地を目指したクリーンノート「Kaite」を衝動買い

2019年05月09日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●南田/ASCII編集部

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太さの違う2種類のペンと大小2つのイレーザーで
鉛筆と紙のように磁性シートに自由に筆記できる

 Kaiteの磁性シートに筆記する専用ペンは、ペンホルダーを兼ねた四角い“広範囲”イレーザーの丸穴に挿入して、Kaiteと一体にして持ち歩ける。軸部がアクリルで透明なペンの一方は、ペン先に三角形の透明ディスクが付属した細字(0.5~0.6mm)。反対側は“部分”イレーザー兼用の白いキャップを被った中字(0.8~0.9mm)の2種類だ。

大型のイレーザーとペンは、A4サイズもB5サイズも同じものが付属する。ペンは大型イレーザーのペンホルダーに挿して、Kaiteの上部にスライドクリップする

大型のイレーザーとペンは、A4サイズもB5サイズも同じものが付属する。ペンは大型イレーザーのペンホルダーに挿して、Kaiteの上部にスライドクリップする

 ユーザーはこの多少太さの違う2種類のペンと大小2種類のイレーザーで、鉛筆と紙のように磁性シートに自由に筆記する。筆記感覚はWindowsやAndroid、iPadなどのタブレットよりはるかに“紙と鉛筆”に近い筆記感覚を再現できている。また、筆者の個人的感覚ではBoogieboardより優れ、ソニーのデジタルペーパーに迫るイメージだった。

細ペンの先には角丸三角形の透明ディスクが付属する。ペン先はペン軸の中央ではなく、角丸三角形ディスクの頂点近くなので、筆記時の目測誤差に慣れるまで少し時間が必要な人もいるだろう

細ペンの先には角丸三角形の透明ディスクが付属する。ペン先はペン軸の中央ではなく、角丸三角形ディスクの頂点近くなので、筆記時の目測誤差に慣れるまで少し時間が必要な人もいるだろう

角丸三角形のディスクの付いているペン先と、反対側にあるキャップの付いたペン先は中字。キャップはどちら側にも付く。キャップは部分消しのイレーザーになっている

角丸三角形のディスクの付いているペン先と、反対側にあるキャップの付いたペン先は中字。キャップはどちら側にも付く。キャップは部分消しのイレーザーになっている

ペンとイレーザーを使って、ごくふつうの紙と鉛筆の感覚で筆記できる。慣れてくればかなり細かな文字を書くことも簡単だ。筆記線が黒ではなく、ライトグレーの紙の上に濃いグレーで書いた感じになるが、この多少緩いコントラストに慣れるかどうかが、この商品を買って長く使えるかどうかの分かれ目のようだ

ペンとイレーザーを使って、ごくふつうの紙と鉛筆の感覚で筆記できる。慣れてくればかなり細かな文字を書くことも簡単だ。筆記線が黒ではなく、ライトグレーの紙の上に濃いグレーで書いた感じになるが、この多少緩いコントラストに慣れるかどうかが、この商品を買って長く使えるかどうかの分かれ目のようだ

 軽量でほぼ“紙と鉛筆”に近い感覚、そしてB5サイズなら持ち歩きも快適だ。しかし、Kaiteで特に注意すべきことは、磁性シートの表面を固いものなどで傷つけないことだ。筆者はうっかり、大型のイレーザーを磁性シートの上に落下させてしまい、運悪くもっとも尖った部分を磁性シート表面にぶつけてしまった。その部分の表面が傷つき、常時黒いシミのようになり何をしても回復しない状態になってしまった。どうもこれは、磁性シートの中に封入されているマイクロカプセルの状態を良くない状況に変化させてしまったようだ。

筆者の不注意で、大きな方のイレーザーのもっとも尖がった角を磁性シートの表面に落としてしまった。どうもマイクロカプセルの配列を壊したか、動きを制約することになったようで、黒いシミのような部分は何をしても元には戻らなかった

筆者の不注意で、大きな方のイレーザーのもっとも尖がった角を磁性シートの表面に落としてしまった。どうもマイクロカプセルの配列を壊したか、動きを制約することになったようで、黒いシミのような部分は何をしても元には戻らなかった

 ライトグレーの薄い磁性シートの内部には、直径100~300μmのマイクロカプセルが封入されており、さらにマイクロカプセルの中には、微細な鉄粉が数多く詰まっている。磁性シートの上を先端が磁石でできた筆記ペンでなぞると、マイクロカプセル内の黒くて微細な鉄粉がペン先の磁石に引きつけられて、表面側に移動する。その結果、表面から見ると微細な黒いドットが連続した筆跡となって見える仕組みだ。細かい多数のマイクロカプセルを磁性シートの中に配置することにより、従来より鮮明で滑らかな筆記線を表現することに成功している。

実際に描いた磁性シートの表面を拡大してみると、マイクロカプセルのドットの集まりが線を構成していることがよくわかる。確かに擦れたイメージが鉛筆の筆記線と似ている

実際に描いた磁性シートの表面を拡大してみると、マイクロカプセルのドットの集まりが線を構成していることがよくわかる。確かに擦れたイメージが鉛筆の筆記線と似ている

 以上でご紹介したように、Kaiteは極めてシンプルな構造であるため、重量も軽量だ。筆者が自宅のキッチンスケールで実測したところ、A4サイズで実測241g、B5サイズで187gという、モバイル向きと言ってもまったく問題ないほど軽量だった。イレーザーはペンキャップに付属するものを使い、ペンホルダーと消しゴムを兼ねている大きなサイズの専用イレーザーを持ち歩かないつもりなら、あと37gほど軽量化できる。

A4サイズのKaiteは実測241g

A4サイズのKaiteは実測241g

小さなB5サイズのKaiteは実測187g。大きなイレーザーを使わないなら両者とも37gほど軽くなる

小さなB5サイズのKaiteは実測187g。大きなイレーザーを使わないなら両者とも37gほど軽くなる

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