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Windows Info 第170回

Chromium版のEdge登場 モノカルチャーへの抵抗は諦めたか

2019年04月28日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII編集部

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WebKitが支配する世界への抵抗を示していたのは
わずか4年前のこと

 マイクロソフトは、Edgeを開発するときに、W3Cなどの標準への準拠を大きな目的とした。IEでは非標準の機能が多く、多くのウェブ開発者が苦労していたからだ。しかし、このときにマイクロソフトは、WebKitやBlinkといった他のレンダリングエンジンの利用を拒否した。

This interoperability-focused approach brought the obvious question of adopting an existing open-source rendering engine such as WebKit.
この相互運用性重視のアプローチには、Webkitのような既存のオープンソースレンダリングエンジンを採用するという明らかな論点があった。

~中略~

First, the Web is built on the principle of multiple independent, yet interoperable implementations of Web standards and we felt it was important to counter movement towards a monoculture on the Web.
第一に、ウェブは独立しているが相互運用可能なウェブ標準の実装の原則に基づいて構築されており、ウェブ上の単一文化への動きに対抗することが重要であると感じた。

●マイクロソフト社Edgeブログより
A break from the past: the birth of Microsoft's new web rendering engine

 つまり、オープンソース版のレンダリングエンジンを使ったら、単一文化(WebKit)を助長することになり、マイクロソフトとしては、対抗すべきと考えたということだ。

 さすがに、IEやWindowsで一世を風靡し、単一文化を作りかけた会社は言うことが違う。たとえばCode Redなどの悪意のあるプログラムは、多くのコンピューターが同じアーキテクチャのプラットフォームだったから猖獗を極めたわけだ。

 このブログが書かれたのは2015年。Windows 10が登場したときの話だ。あれから4年。もう状況が変わってしまったのか。単一文化への動きに対抗するのは、FireFoxに任せたのだろうか。ただ、筆者は、Blink+V8を採用したところで、Edgeの状況が好転するようには思えないのだが、ホントに大丈夫なんだろうか。ついでに令和対応のアップデートも早く期待したい。

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