USB 4.0最大の懸念は
40Gbps準拠のケーブル
USB 4.0での最大の懸念はおそらくケーブルである。もともとUSB 3.1の時点で利用できる最大ケーブル長は1mとかなり厳しいのだが、Thunderbolt 3の40Gbps(つまり20Gbps×2の2レーンオペレーション)では、パッシブケーブル(要するにただの銅線)なら最大50cm、間にバッファを入れたアクティブケーブルでも最大2mと規定されている。
画像の出典は、Universal Serial Bus Type-C Cable and Connector Specification Release 1.3
画像の出典は、2016年のCOMPUTEXにおけるIntelのThunderbolt Updateセッションの資料
しかもアクティブケーブルの場合、しばしばUSB 3.1を認識せず、USB 2.0相当でしかつながらないこともある。このあたりはバッファーとデバイスの相性の問題であり、そうでなくてもUSB PD絡みでまともに給電できないType-Cケーブルが世の中に大量に出回っている現状を考えると、相当厳しそうな感じがする。
このあたり、USB-IFが明確に40Gbps準拠のケーブルを明確に区別できるような認証手段をきちんと提供できるのか、も普及には影響を及ぼしそうだ。
今のところUSB 4.0に対応しそうなコントローラーを内蔵しているのはインテルだけ(もっともこれも、既存のThunderbolt 3コントローラをスムーズにUSB 4.0対応に出来るかどうかは確認の必要がある)だが、その他のベンダーがどういう形でこれに対応するか、は今年のCOMPUTEXあたりで明らかになると思われる。
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