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業界人の《ことば》から 第339回

エアアジアがオラクルを活用した財務/管理会計業務の改革を披露

2019年04月18日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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F1もサッカーも最悪の失敗だった

 「仮にいままで成功していたとしても、それに満足せずに新たなものを採用し、変えていく必要がある。変わらないと死んでしまう。かつては多くの人が、ノキアやブラックベリーの携帯電話を使っていたが、いまは誰も使っていない。変化に追随できなかったからだ」と指摘する。

 また、自らが航空事業に参入したときのことも振り返る。

 「私はほとんどの楽器が弾ける。これは楽しいことである。一方で会計の勉強はたくさんしたが、その仕事は嫌いだった。35歳のとき、タイム・ワーナーで働いていた私に航空会社をやってみないかという提案があった。

 ロンドンに住んでいた私は、航空会社が好きでいつも空港にいた。バルセロナまで8ポンド、パリまで6ポンドという飛行機を私も飛ばしてみたい。この仕事をやりたいと思った。そこから人生が変わった」

 このとき「失敗したらもう一度会計士になればいいと思った。55歳になって、あのときこれをやれば良かったと思っても遅すぎる。人生は一度しかない。チャンスを捕まえることが大切だと感じた」とする。

 だが、こうも語る。

 「愚かなものと天才の間には、非常に薄い線引きがある」

 エアアジアは成功したが、フェルナンデスCEOはいくつもの失敗を経験している。

 「私は、たくさん失敗をした。フォーミュラ1のオーナーになったり、フットボールチームのオーナーになったりしたが、どちらも最悪の失敗だった」としながら、「だが、やったことで楽しむことができた。エアアジアも多くの人が失敗すると言っていたが、情熱がひっぱってくれた。明日、バスにひかれても死んでも後悔がない」とする。

 そして、会場の聴講者に対してはこう呼びかけた。

 「夢があるのならば、失敗を心配せずに取り組んでほしい。夢を実現してほしい。起業するのは難しいが、素晴らしいことである。起業家は、リスクはあるが世界を変えることができ、問題を解決することができる。大切なのは楽しむことである」

 フェルナンデスCEOの熱い情熱が聴講者に伝わった講演となった。

写真の左側は1リンギットで買収したときの領収書

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