オラクルはANAとは違う
2019年3月26、27日にシンガポールのマリーナベイサンズで、オラクルが開催した「Oracle Open World Asia 2019」では、エアアジアのフェルナンデスCEOが基調講演に登壇。アジアのメディアとの質疑応答も対応した。
ユニークな言動がいつも注目されるフェルナンデスCEOは、オラクルとの社風の違いを指摘されると、「それは、オラクルはつまらない会社で、エアアジアはエキサイティングな会社という意味か?」と逆質問して会場を沸かせ、さらに「だから今日は、オラクルにあわせて、ジャケットを着てきた」とも付け加えた。
また「私自身、サンフランシスコの街でオラクルの看板を見ても、無視しようと考えていた。価格が高いオラクルを利用するなんて想像もしていなかったからだ。だが、そのオラクルと私たちは契約をした。信じられないことが起こった。しかも、いま基調講演の壇上で、私がオラクルの宣伝をしている。『オラクル』とひとこと言うたびに、ラリー(=米オラクルのラリー・エリソン会長)は、10%ずつディスカウントしてくれるはずだ」と笑わせる。
だが、続いてフェルナンデスCEOは「新たな技術を導入し、会社の古いやり方を壊してきた。このまとめ役をオラクルがやってくれた。オラクルは、素晴らしい仕事をしてくれた。時間どおり、予算どおりにやってくれた」と語る一方、
「日本にはANAという航空会社があるが、ANAは文化が異なる会社だった。だが、楽天の三木谷氏とは一緒にビジネスをやることができた」と日本の企業を引き合いに出しながら、
「オラクルはサン・マイクロシステムズの大型買収をはじめ、常に自分たちを変えている会社である。アグレッシブで、破壊を起こしている会社である。会社は、変わらないと死んでしまう。だからこそ、変化を起こしている会社と一緒に働きたい。変化を起こしているからこそ、破壊者を破壊することができる」と続ける。
変わることがこれまでのエアアジアの成長を支え、それをサポートしたのが、自らも変化してきたオラクルだという。
フェルナンデスCEOは、挑戦することの大切さを訴える。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ