筆記線が細く視認性はかなり低い
さらにペンやノートに制限がある
専用のスタイラスペンで、左側半分に配置されているメモノートに何か描いてみよう。実際に文字や絵を描いてみるとすぐにわかるが、今やデファクトの先行標準製品となっている米国のBoogieboard(国内ではキングジムが販売)と比較すると筆記線が細く、先ほどのLEDライトのオンオフに関わらず、かなり視認性が低い。ここはやはり、老舗のケントディスプレイのBoogieboardと同じ品質のモノを使うべきだっただろう。
メモノートは細密な線を描くために筆跡を細くしたとも考えられるが、視認性を重視するユーザーにとっては大きなマイナスだ。最近、ネットショップや秋葉原などで安価な手書きLCDタブレットが販売されているが、品質的にはそれらに限りなく近いモノだ。
今度はメモノートの右側半分に注目すると、付属のスタイラスは右上のペンホルダーが非使用時の待機場所だ。一方、アナログノートの下のペンホルダーは必然的にアナログノートに筆記するための、ごく普通の筆記具のペンホルダーだと想像される。
筆者は自室の引き出しにあった何本かのボールペンやシャープペンシルを取り出してホルダーに収めてみたが、筆記具が引っかかりかなりの確率でメモノートを閉じることができない。無理やり閉まらないこともないが、ウッカリ閉めてしまうとメモノートそのもののスタイルに歪みが出てしまう。
実際に自らの手で開閉テストしてみると自明だが、メモノートはLCDタブレットの左側面にあるLED照明部分がバーのように盛り上がり、そこに鍵の凹側が配置されている。そして、それとペアとなるアナログノートの右側にある鍵の凸側部分との両者が、間に何の障害物もなく確実にドッキングできることで施錠完了となるのだ。
なので、その空間の長さに合わせた付属のスタイラスペンより長いペンを入れようとすると、メモノート自体を閉じることができなくなってしまうのだ。施錠(ロック)できるということの実現のために犠牲になったモノは、実は筆記ペン以外にもある。
付属のアナログノートもペン同様、実際の横幅を実測してみると139㎜と短い。これは紙の業界標準のA5サイズの横幅である148㎜よりなんと1㎝程小さい。実際に自宅にあったいくつかの左右開きのA5ノートをメモノート付属のアナログノートと置き換えてみたが、見事にいずれもメモノートのカバーは閉じられず、自慢の「パターンロック機能」は蛇足となってしまった。

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