音楽/スポーツイベントなどのスポット利用ニーズも見込む新サービス「アット東京Cloud Lab」
アット東京“1日単位”でDC内クラウド接続+作業室を提供
2019年03月28日 14時10分更新
アット東京は2019年3月28日、自社データセンター(DC)内に「アット東京Cloud Lab(アット東京クラウド・ラボ)」を開設し、5月7日からサービス提供を開始すると発表した。メガクラウドへ広帯域/ダイレクト接続ができるネットワーク環境や作業室、ハウジングラックを“1日単位”で利用できるサービス。クラウド接続検証や実証実験(POC)だけでなく、音楽/スポーツなどの大規模イベント、コンテンツデータのクラウド移行作業といった新たなスポット利用ニーズも見込む。
アット東京のデータセンターにはAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud、IBM Cloudといったメガクラウドの接続ポイントが設置されており、構内ネットワークを介してセキュアかつ広帯域/低遅延のダイレクト接続が可能。さらに、DC内相互接続プラットフォーム「ATBeX」を利用することで、顧客環境どうしやマルチクラウド間の柔軟なネットワーク接続もできるようになっている。
しかし従来のデータセンター利用時には、利用申込から開始までのリードタイムや1年単位の利用契約が必須であり、「短期間だけクラウドとの広帯域/ダイレクト接続環境を利用したい」というスポット利用ニーズを満たすことは難しかった。今回発表されたアット東京Cloud Labでは、「3日前までの利用申込」と「1日単位での利用」を可能としてその課題を解消し、スポット利用という新たなニーズに応える。
標準メニューで提供されるネットワーク環境は、ATBeX接続回線(1Gbps×2)と論理回線(ServiceLink、PartnerLink)、インターネット回線(1Gbps、固定IPアドレス)、フレッツ回線、貸し出しルーター。オプション(別料金)として各クラウド(AWS、GCP、IBM)へのプレミアムコネクト(ダイレクト接続)、Microsoft AzureクラウドへのATBeX経由接続、ATBeXの10Gbps回線なども利用できる。
発表の中でアット東京は、想定される主な用途のひとつとして「コンテンツ、メディア、広告、eスポーツ」分野を挙げている。具体的には、ライブ会場とクラウドとの広帯域接続、クラウド連携によるライブ会場でのインタラクティブな演出、映像コンテンツの編集と即時配信、デジタイズ、ポスプロ/プレイアウト業務など。
そもそもこのサービスを企画/開発するきっかけとなったのが、2018年12月31日に実施されたNTTドコモとPerfumeのコラボレーションプロジェクト「FUTURE-EXPERIMENT VOL.04」だった。このイベントでは横浜アリーナで開催されたPerfumeカウントダウンライブの映像を、渋谷駅前のサテライト会場や特設サイトなどで同時配信した。この配信システムを構築したAT Linkageが、短期間でセキュアかつ安定したクラウド接続回線を用意する手段としてアット東京のAWSダイレクト接続サービス「プレミアムコネクト for AWS」を活用したことで、アット東京側もこうした潜在的ニーズがあることを認識できたという。
また一般企業における利用シーンとしても、クラウド接続環境を構築する際の事前テストのほか、クラウド環境を利用するセミナー会場としての利用、顧客拠点とクラウドとの広帯域接続によるデータ連携やアプリケーションテストなどが考えられるとしている。同施設にはコラボレーションスペースも併設される。
アット東京Cloud Labの利用料金(税抜)は、作業室が1部屋あたり3万円/日、ハウジングラックが1ラックあたり2万円/日。ただし2020年3月末までのキャンペーン期間中は、最初の3日間は無料試用期間としている。利用申込の受け付けは4月1日から。