POWER5と同じ消費電力で2倍の周波数を実現した
POWER6
これが2007年のPOWER6では以下のようになった。POWER5は130nm SOI、POWER5+では90nm SOIを利用して製造されたが、POWER6では65nm SOIを利用しての製造になった。
画像の出典は、MicroProcessor Forum 2006 FallにおけるBradley McCredie氏(IBM Fellow, Systems &Technology Group, Development)の“POWER Roadmap”
この結果、90nm SOIと比較しても30%あまりの性能改善、もともとの130nm SOIと比べると60~70%あまりの性能改善が実現している。これと回路の見直しなどを行なったことで、POWER5比で同じ2倍の動作周波数を、ほぼ同じ消費電力枠で実現している。
画像の出典は、MicroProcessor Forum 2006 FallにおけるBradley McCredie氏(IBM Fellow, Systems &Technology Group, Development)の“POWER Roadmap”
こうなると、そのまま性能が倍になるという計算だ。実際にはPOWER4が1.5~1.9GHz、POWER5+が最終的に2.3GHzに達しており、POWER6はこの倍を目指した。実際2007年にリリースされた最初のモデルは3.5~4.7GHzという動作周波数になっており、2008年に追加されたPower 595というモデルでは5GHz品が追加されている。
POWER6はPOWER4/POWER5同様に1つのダイに2コア+共有2次キャッシュという構成であるが、POWERもこの世代からMCM構成を放棄しており、2コアで1チップとして提供される。このPOWER6チップを4つで1つのノードとし、最大で8ノードまで結合可能で、この場合64wayのSMPが簡単に構成できる。
画像の出典は、MicroProcessor Forum 2006 FallにおけるBradley McCredie氏(IBM Fellow, Systems &Technology Group, Development)の“POWER Roadmap”
この連載の記事
-
第768回
PC
AIアクセラレーター「Gaudi 3」の性能は前世代の2~4倍 インテル CPUロードマップ -
第767回
PC
Lunar LakeはWindows 12の要件である40TOPSを超えるNPU性能 インテル CPUロードマップ -
第766回
デジタル
Instinct MI300のI/OダイはXCDとCCDのどちらにも搭載できる驚きの構造 AMD GPUロードマップ -
第765回
PC
GB200 Grace Blackwell SuperchipのTDPは1200W NVIDIA GPUロードマップ -
第764回
PC
B100は1ダイあたりの性能がH100を下回るがAI性能はH100の5倍 NVIDIA GPUロードマップ -
第763回
PC
FDD/HDDをつなぐため急速に普及したSASI 消え去ったI/F史 -
第762回
PC
測定器やFDDなどどんな機器も接続できたGPIB 消え去ったI/F史 -
第761回
PC
Intel 14Aの量産は2年遅れの2028年? 半導体生産2位を目指すインテル インテル CPUロードマップ -
第760回
PC
14nmを再構築したIntel 12が2027年に登場すればおもしろいことになりそう インテル CPUロードマップ -
第759回
PC
プリンター接続で業界標準になったセントロニクスI/F 消え去ったI/F史 -
第758回
PC
モデムをつなぐのに必要だったRS-232-CというシリアルI/F 消え去ったI/F史 - この連載の一覧へ