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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第502回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 現在に続くIBMのメインフレーム事業

2019年03月18日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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現在に続くIBMのメインフレーム事業

 さて今回はメインフレームであるIBM Zと、POWERプロセッサーを利用したPower Systemの2つのうち、System Zに至るメインフレームのその後を説明する。1994年~1999年にかけて、System/390向けにG1~G6を投入してきたIBMだが、2000年にこれを64bit化した新しいeServer zシリーズを投入する。

 最初に発表されたのは2000年10月のeServer z Series 900である。これに搭載されたチップの開発コード名はFreewayで、z900 CPUと呼ばれる。

 CPUモジュールは最大20個のプロセッサーを搭載するMCM構成。内部は64bitアドレスをサポートするとともに、従来の24/31bitアドレスにも対応しており、既存のアプリケーションがそのまま実行可能とされた。

eServer z Series 900のMCM。uPがプロセッサー、SCCがStorage Controller Control、SCDがStorage Controller Data(要するに2次キャッシュ)、I/OはI/Oチップである

PR/SMはProcessor Resource/Systems Managerの略

 各々のプロセッサーは0.18μmプロセスで177.2mm2、4700万トランジスタといった規模。同時期で言えば、0.18μmのPentium III(Copperminie)が106mm2、2800万トランジスタという規模だったから、これより一回り以上大きなダイである。動作周波数は最初のものが770MHz動作、消費電力はプロセッサーあたり30Wほどとされている。

トランジスタ/ダイサイズが大きくなった最大の要因は、命令/データともに256KBという巨大なキャッシュのためだろう

 ちなみにパイプラインは基本的にはG6と同じ構成だが、G6で6段だったステージが10段になっている。またメインフレームらしく、RAS機能も充実しているのも特徴だ。

単にECCだけでなく、故障検知と故障個所の切り離し機能まで搭載されているあたりはさすがである

 処理性能は、最初に出荷されたz900の場合、16プロセッサー構成で2500MIPSの演算性能と24GB/秒のメモリー帯域、単体で3億トランザクション/日・クラスター構成で90億トランザクション/日の処理性能を持つと発表されている。プロセッサー1つあたりでは、G6が200MIPSに対しZ900だと250MIPS程とされた。

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