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盛田 諒です、こんばんは。AIが犯罪を未然に防いだり、容疑者を見つけるというドラマのような話がすでに現実になりつつあるようです。
3月5日、国際展示場でセキュリティ展示会「SECURITY SHOW 2019」が開催。AIを使った犯罪捜査に向けた取り組みを、科学警察研究所 法科学第二部 物理研究室 黒沢健至室長らが紹介するセミナーを受講してきました。
●不審人物をAIが発見
科学警察研究所「科警研」は警察庁付属の組織。法医学や物理学や社会学など専門家約100人が勤めています。ドラマになった科学捜査研究所「科捜研」は各都道府県警察の刑事部に所属。科警研は科捜研に対して鑑定技術指導をしたり、科捜研でも扱えないような特殊事案の鑑定をするのが主な業務です。
その中で防犯カメラなどによる映像解析を担当するのが物理研究室。黒沢室長は映像解析が使える場面として「犯罪予防」「犯罪捜査」「テロ対策」「雑踏警備」をあげていました。重要な技術の1つが不審行動の検知です。
しかし不審行動と言われても、一般にどんな行動が不審なのかわかりません。そこで科警研では現役警察官の意見を取り入れて、200本ほどの映像ファイルを撮影し、不振行動のデータセットを構築したそうです。
不審行動の例としては「大きな荷物をもっている」「人波に逆行している」「物陰から様子をうかがっている」「人気のない道で立ちつづけている」「うろうろ歩いたあと誰かの後を追っている」「かばんを置いて立ち去っている」「夏なのにジャンパーを着ている」「カメラを気にしている」など。
この行動をデータセットとしてAIに学習させれば、防犯カメラの映像を使って不審行動を検知できるようになるかもしれないというわけです。科警研ではこのデータセットを使った共同研究を募集していました(共同研究募集のお知らせ)。
黒沢室長は「実際にデータセットを作ってみて、不審かどうかの判断は環境やシチュエーションに依存するものだとわかりました」と話してました。たとえば待ち合わせ場所などは立っている人がたくさんいるので立っていても普通ですが、人気のない場所でずっと立っているのは不自然なわけです。
そのため黒沢室長は「汎用性のある不審人物検出は困難では」としながらも、室内やテーマパークなどそれぞれの場所のカメラにAIが入っていて、人物の行動、動線、視線、荷物、雰囲気などから、普段とは違うことを検知したとき不審だと教えてくれるのが将来のイメージだと話していました。
警察にとってAIが役立つ場面はもう1つあります。