最新パーツ性能チェック 第251回
最大314mmのビデオカードや240mmラジエーターが入るミニタワー
強化ガラス採用で7000円の魅せるPCケース「PS15」のちょうど良さ
2019年03月02日 10時00分更新
組んでみてわかった良かった点と注意点
さて、ここからは組んでいて改めて気付いた点をご紹介しよう。
マザーボード取り付けスペースの裏は大きく口を開けており、CPUクーラーのバックプレートを後付けできた。組んだ当初はバックプレートのいらないプッシュ式のCPUクーラーを付けていても、あとから交換したい場合にいちいちマザーボードを外さなくても済むのは大変にありがたい。
電源ユニット部のスペースは絶妙で、電源ケーブルと3.5インチシャドウベイが接触するほど近い。悪く言えば余裕がなく、良く言えば無駄がない。今回使った電源ユニットは奥行140mmの一般的なモデルなのでほとんどの製品では大丈夫だろう。
とはいえ、モジュラーケーブルだと電源ユニットを固定してから挿すのが難しいので、あらかじめ必要なケーブルを挿しておくのが無難だろう。
やや不満だったのが、マザーボードを固定するスペーサーだ。PS15の工場出荷状態の初期位置と今回組み込んだ「ROG MAXIMUS XI GENE」で使用する位置が異なっていたので、スペーサーを一旦外して別の位置に付け替えたかったのだが、スペーサーを外す工具が付いていなかった。ペンチで辛抱強く外せないこともないが、スペーサーにかぶせて上からプラスドライバーで取りはずせるソケットがあればもっとスムーズだろう。
値段が値段だけにそこまで求めるのは厳しい見方かもしれないが、スペーサーを交換する工具を付けないのならいっそすべてのスペーサーを後付けにしてほしいところ。そうすればユーザーが任意の場所に手回しでラクに取り付けられるからだ。
また、これは組み合わせの問題かもしれないがマザーボードのI/Oカバー部分と背面のファンの隙間がぴったりすぎて、一旦ファンを外さないとマザーボードを設置できなかった点も気になった。あとほんの数ミリでいいので、幅に余裕があるとありがたい。
まとめ:価格と仕様がちょうど良い高コスパPCケース
PS15レビューのまとめに入ろう。ミニタワー型の最大の魅力であるコンパクトさは一度組むと病みつきになる中毒性がある。ひょいと気軽に持ち上げられ、狭いスペースでもサッと置ける取り回しの良さは、フルタワーでは得られない物理的な「快適さ」を感じる。机の上で運用すれば、座ったままでスッと手の届く位置に物が置けるのもミニタワーならでは。
また、安いPCケースにありがちな、ちょっと持ち上げて移動したら底面のホコリ防止フィルターがパタンと落ちた、フロントパネルを外したら固定するツメが折れた、なんてこともなかった。それでいてミドルハイビデオカードを搭載するゲーミングPCだって組めるのだから、使い勝手はいいと言って差し支えない。
なにより、お手頃価格ながら強化ガラスを採用し、そこそこカッコイイPCが作れるのは大正義だろう。大きすぎるのはちょっと……、あまりお金をかけるのはちょっと……、「だけどそれなりの見た目と性能のPCが組みたい」という人にオススメしたい「ちょうど良い」PCケースだ。
この連載の記事
-
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - この連載の一覧へ