このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

AI/機械学習、5G、仮想通貨、IoTの普及はサイバー攻撃をどう変えるか?その影響を考える

2019年はこんなセキュリティ脅威が!15社予測まとめ《前編》

2019年01月22日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

5Gネットワークの登場でコネクテッドデバイスが増加、そのリスクは?

 前編記事の最後に、5Gネットワークの登場に伴い生じると考えられる脅威について見ておこう。

 2019年は「5G」を巡る通信事業者やデバイスメーカーの動きが一段と加速することになる。年明けに開催された米国CES(コンシューマーエレクトロニクスショー)においても、スマートフォンを始めとしたさまざまな5G対応デバイスが紹介されていた。日本では2020年のスタートになるが、先行する国ではすでに商用サービスのローンチも始まっている。

 攻撃者たちも当然、こうしたトレンドには注目しているはずだ。それでは具体的に、どのような脅威が生じると考えられているのだろうか。シマンテックでは、5Gネットワークの展開と採用が拡大するにつれて「アタックサーフェスも拡大する」と指摘している。

 「将来的には、5Gネットワークに直接接続するIoTデバイスの数が、Wi-Fiルーター経由で接続するデバイスよりも多くなるでしょう。こうしたトレンドは、IoTデバイスに対する直接攻撃のリスクを高めることになります」(シマンテック)

 Wi-Fiルーターなどのゲートウェイ経由で外部ネットワークに接続する場合、ルーター内蔵のファイアウォール機能などが外部からの攻撃を防いでくれていた。しかし、直接5Gネットワークに接続するデバイスにはそうした“防御壁”が存在しないことになる。

 これから5Gネットワークの商用サービスがどのように展開され、そこにどのようなセキュリティ機能が盛り込まれるのかはまだ定かではない。デバイス側に高度なセキュリティ機能が搭載されないのであれば、5Gのネットワーク側でセキュリティサービスを提供し、デバイスを保護することが求められるようになるはずだ。

* * *

 以上、今回の前編記事では新たなIT技術トレンドに呼応して、今年以降、どのような新しいセキュリティ脅威の登場が予測されているのかを見てきた。こうしてまとめて見ると、攻撃者たちが新たなトレンドをキャッチし、それを悪用するようになるまでの時間はごく短いものになっていることがわかる。防御側のセキュリティ対策も、より短いサイクルで見直しをしていかなければならない時代になっているのかもしれない。

 さて、こうして新たな脅威が次々に登場する一方で、昨年以前から見られた脅威も(進化を遂げながら)引き続き発生するだろう。次回後編記事では、ランサムウェアやサプライチェーン攻撃など、企業に対する脅威を中心として、各社の予測をまとめることにしよう。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード