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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第491回

業界に多大な影響を与えた現存メーカー 互換機を締め出し市場占有率が半減したIBM

2018年12月31日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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いまだに現役のPS/2コネクターが誕生

 このPS/2で、IBMはさまざまなものを変更した。まずキーボードやマウスのコネクターは、PS/2タイプと呼ばれる小型のものを策定し、これはそのまま広く互換機メーカーにも採用されることになった。

 おそろしいことに、いまだに最新のゲーミングマザーボードにはこのPS/2タイプのコネクターを搭載しているものがあるため、そろそろ30年を超えている計算になる。

PS/2タイプのコネクター

 ビデオカードに関しては、Model 30にはMCGA(Multi-Color Graphics Array)と呼ばれる、CGAを拡張したものが新たに制定された。一方、Model 50以上ではVGAが新たに提供され、後には8514/Aを経てXGAも提供されることになる。

 FDDは、当時業界で主流だった5.25インチを排して3.5インチのドライブが導入されている。このあたりの新規格については、後追いで互換機メーカーも追従することになった。

バスの転送速度が問題化
独自のI/OバスであるMCAを制定

 その一方で大問題だったのがMCA(MicroChannel Architecture)である。MCAのさわりは連載367回のCOMPAQのところで触れたが、改めて説明しよう。

 根本的な問題は、XT BusやAT Bus、要するにISAは8088/80286のアドレスバスとデータバスの信号をそのまま出力する、という簡単な構造になっていたことから始まる。

 もちろんIBM-PCでは問題にならなかったし、IBM-PC/ATでもそれほど大きな問題にはならなかった。理由は、当時のバスの速度はCPUの動作周波数に同期していたからだ。4.77MHz(IBM-PCやIBM-PC/XT)あるいは6/8MHz(IBM-PC/AT)程度であれば、周辺回路の動作にも問題はなかった。

 ところが80286の動作周波数が10MHzを超え、80386ではさらに高速に動作するが、当時の周辺回路はこの速度に追従するのは困難だった。だからといってI/OバスのためにCPUの動作周波数を下げるのは言語道断だった。

 根本的には、CPUから出るデータバスとI/O用のバスを分離することが好ましい。実際にはこれにはかなり時間がかかり、完全に分離されたのはPCIが普及する1993年以降になるのだが、ここでIBMは独自のI/Oバスを制定することを決めた。それがMCAである。

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