大手40代サラリーマンが体験した複業スタートアップの利点
5Roles~40代をどう過ごすか、悩んだ末に決めた大企業と起業の両立~
国内の”知の最前線”から、変革の先の起こり得る未来を伝えるアスキーエキスパート。Nei-Kidの神谷渉三氏による大手企業に所属するサラリーマンにとってのパラレルキャリア実体験についてお届けします。
40代をどう過ごすか?
40代に入る前、私には迷いがありました。これから40~50代をどう過ごしていくか、という迷いです。
読者の皆さんのなかには大企業にお勤めの方もたくさんいると思いますが、今のところ最速で昇進していて「このままいけば社長も見える!」と感じている方はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
私が新卒で入社したNTTDATAでは、40歳になる頃には自分がそのルートに乗っているかどうか、明確にわかります。私は、残念ながらなれませんでした。このまま働いても社長や役員にはなれない。経営者として自らの意思決定で新しい領域のビジネスを切り開いていけるようになりたい、そう思っていた自分にとっては、このまま会社の管理職定年である50代半ばまで漫然と過ごしてよいのか、という問いが心の中にありました。
日本の大企業というのは、ある意味とても贅沢な環境です。新卒で入社したNTTDATAには、世界中のITに関する最先端のソリューションやトレンドの情報で溢れていましたし、それらのテクノロジーを活用して、このユースケースで使ったらこういう結果が出た、という内部の人間しか得られない生の情報に日常的に触れられる環境でした。それは知的興奮をともなう、とても刺激的な内容で、私のような未来志向の人間にとって抗いがたい魅力があったのも事実です。
その中で、自らはどう40代を過ごすべきか、悩みました。結果として私が決めたのは、40代を5Rolesで過ごす、という方針です。
5Rolesとは、Husband(夫)、Father(父)、Bussiness person(会社員)、Investor(投資家)、Entreprenaur(起業家)の5つ。何も捨てず、すべてを同時並行で経験した上で、自分にあった生き方は何かを決めていきたい、そう思ったのです。“やってみなければわからない”、ならば全部やってみて決めようということです。