「TOSHIBA」これが見納め
東芝クライアントソリューション(TCS)は12月3日、中期経営計画の説明会を開催。10月からシャープ傘下に入った同社は、来年1月から「Dynabook株式会社」に社名を変え、3年後にIPOをめざす。社名から「東芝」の名称は消え、現行モデルを最後として、今後発売するPCから東芝のロゴはなくなる。
TCS代表取締役石田佳久会長は社名から東芝が消えることについて「議論したが、東芝のノートブックPCの歴史をたどりアラン・ケイが作った『dynabook』という言葉を前面に出していきたいと思った」と話した。
「ハードウェアに期待がこめられた言葉だったが、時代とともに世の中の環境や技術がどんどん進化していくので、流れにあわせてdynabookという言葉も同様に進化させていきたい。アラン・ケイも言葉そのものの進化を望んでいるのではないか」(東芝クライアントソリューション代表取締役石田佳久会長)
東芝は1985年、世界初のラップトップPC「T1100」を発表。アラン・ケイの「ダイナブックビジョン」にならい「人に寄り添い、人を支える真のパーソナルなコンピュータ」という理念のもと、PCブランドdynabookを展開してきた。
新会社ではSoftware as a Service(SaaS)のように「dynabook as a Service」(DaaS)というキャッチフレーズをかかげ、TCSのハードとシャープのソフトを融合させたコンピューティングサービス事業を展開する方針を示した。
従来のTCSは事業縮小に伴い、日本国内向け法人向けハード事業を中心とした守りの展開になっていた。今後は製品ラインナップを拡充させ、シャープの販売力や開発力を生かし、北米・欧州・アジア地域に向けた攻めの展開をする。
展開としてはまず、パソコンやサーバーなどを含めた製品ラインナップを充実する。次に日・米・欧・アジアなどの展開地域を拡大する。次にシャープの8KやAIoTなどのソフトウェア技術を使って競争力を強化し、最終的には通信を通じて機器同士を連携させ、データを連携させたサービスを展開するという。
数値目標は2020年度に売上高3400億円、営業利益70億円。海外事業比率は2021年度に50%以上をめざすという。