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顧客のKPIを伸ばすサービスが強い AI×マーケで世界を狙うRepro

アジア・中東から世界のデータシェア獲得へ

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AIを活用したマーケティングでBtoCのコミュニケーションからSPAMがなくなる

 Reproでは、アプリに埋め込まれたSDKによって情報をRepro社のサーバに収集、マーケティングに使えるデータに加工し、プッシュ通知やアプリ内のポップアップ、FacebookやTwitterなどへ広告を出稿する先にIDを連携できる。一般的なデジタルマーケティングでは、数ヵ月間の運用が必要なのに対し、Reproはたった半日の実装で、アプリで収集したデータをマーケティングに活かせるのが特長だ。

 しかし、Reproのシェアが拡大していくにつれて、マーケティングのノウハウをもたず、収集したデータをどのようにマーケティングに活かせばいいのかわからない企業に対しても販売する機会が増えてきた。そこで2016年から、BPOの形で、Reproの専門スタッフチームをつくり、クライアントの代わりにマーケティングシナリオを考える、といったコンサルティング事業にも着手。現在は、クライアントの契約獲得数に、Reproの人員が追い付かないほどにニーズが高まっているそうだ。

 「いつかそういう時期が来るのは予期していたので、じつは3年前からエンジニアチームでAIによるマーケティングの自動化を研究開発していました」

 AIを活用した機械学習の研究開発チーム「Repro AI Labs」が公表されたのは2018年の7月。その成果のひとつが11月26日に発表された、集英社のマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」での実証実験の結果だ(関連記事)

 実験のテーマは、AIによって、1)一週間後にアプリをやめてしまうユーザーを予測できるか? 2)予測できた場合、やめさせないことができるのか、3)予測できた場合販促費はどれだけ下げらえるか、の3つ。

 その結果、1)約90%の精度で離脱しそうなユーザーを予測、2)AIが予測した離脱しそうなユーザーに特典付きのプッシュ通知を配信することで再訪率が増加。また、3)以前は全員に配信していた特典を離脱の可能性が高いユーザーのみに配布することでマーケティングコストを85%削減――という成果が得られた、という。

 現在は、ゲームアプリでも課金ユーザーになるかどうかを予測する実証実験を実施し、高額課金の可能性の高いヘビーユーザーを早い段階でターゲティングする仕組みをつくっているところだそう。

 また、ある生活関連アプリでは、個々のユーザーがアプリを利用する時間をAIが予想し、個人ごとにパーソナライズしたタイミングでプッシュ通知を配信する、という実証実験を行なった。結果、プッシュの開封率が27%向上した。

 ECやほかのメディア系のサービスでの実証実験でも、ほぼ同様の効果が出ているとのこと。

 「膨大なユーザーに対して、ひとりひとりに最適な時間、内容、手段を判断するのは、人間よりもAIのほうがはるかに適している。“AIが人間の仕事を奪う”と言われるが、訴求内容、クリエイティブ、コピーライティングなど本質的な部分を人間が考え、ターゲットやタイミングはAIで自動化するのが、マーケティング領域での人間とAIの役割分担になるのでは」と平田氏。

 マーケティング精度の向上は、企業側にとってのメリットだけではなく、企業側から一般消費者へ届く不要なDMや広告が減ることにもつながる。

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