準定型帳票対応、データ入力/サーバー版製品追加でラインアップ拡充、年額型購入も
RPA連動も強化、PFUが業務用帳票OCRソフト「DynaEye 10」発売
2018年11月20日 11時00分更新
PFUは2018年11月20日、業務用帳票OCRソフトウェア製品の最新版「DynaEye 10」を発売した。大量のデータ入力業務を支援するシンプル操作のデータエントリー製品、大規模利用や業務システムへの組み込みに対応するサーバー製品など、製品ラインアップを刷新/強化している。準定型帳票対応、ノイズ除去によるOCR精度向上、RPA連動などの機能強化も図られている。
DynaEyeシリーズは1997年から販売され、国内市場で高い実績を持つオンプレミス導入型のOCRソフトウェア。今回発売されたDynaEye 10は、従来販売してきた帳票OCRソフトウェア「DynaEye EX」の新世代製品として、機能強化だけでなくラインアップやライセンス形態のリニューアルを図っている。
クライアントPCを使ったデータエントリー業務向けの新製品「DynaEye 10 帳票OCR Entry」では、従来の標準アプリケーションに加えて新しいエントリーアプリケーションも提供される。新しいアプリケーションでは、データ入力業務担当のオペレーター向けにシンプルな画面が用意されており、クイックスタート画面からワンクリックで業務が開始でき、OCR結果画面も視線の移動量を抑えてチェックや修正入力ができるようになっている。
新しいエントリーアプリケーションでは準定型帳票に対応しており、経理/購買/営業部門向けに「請求書」「納品書」「注文書」のOCR定義テンプレートが用意されている。これらの帳票でよく使われる項目名に応じて、自動的に読み取り箇所が選択されるため、あらかじめ帳票レイアウトを定義する必要がない。さらに、独自に項目名を追加定義して対応帳票を増やせるツール(準定型定義ツール)も用意しており、現場業務への迅速な導入が期待できる。
新しい帳票の初回読み取り時に、自動選択された読み取り箇所が誤っていた(あるいは必要な箇所が読み取られていなかった)場合には、マウスを使って正しい位置を指定するだけで読み取り内容が修正される。このとき、内蔵AIが帳票レイアウトや読み取り位置を自動学習するため、2回目以降の認識精度が向上するとしている。
またDynaEye 10 帳票OCR Entryは、RPAツールの連動(自動起動)機能も備えている。標準的なRPAツールと組み合わせることで、帳票のスキャンからOCR読み取り、チェック、CSVファイルへの書き出し、RPAツールによる業務システムへの自動登録といった一連の作業をスムーズに実行できる。
Windows Server対応のサーバー版製品「DynaEye 10 帳票OCR サーバランタイム」も製品ラインアップに追加された。別売のSDKを利用して開発したアプリケーションのサーバー実行環境で、既存の業務システム/アプリケーションへの組み込みも可能となる。クライアントPC単位で処理していたOCR業務を集約することで、業務効率化やコスト削減などを図ることができる。
なおDynaEye 10の共通機能として、準定型帳票への対応、帳票内明細表の自動抽出、OCRノイズ除去機能なども追加されている。OCRノイズ除去機能は、OCR処理前に社判の印影/網掛け/地紋などの除去、白抜き文字の反転などの画像処理を行い、認識精度を向上させるもの。
また今回から、サブスクリプションモデル(年額使用料、サポートサービス付)での購入も可能になっている。今回発表された新製品群は、11月22日に東京で開催される「RPA DIGITAL WORLD 2018」の同社ブースにて出展される。