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ローカルPC上でAI OCR処理を実行、外部クラウドにデータ送信したくないシーンでも活用可能

PFU「DynaEye 10」に富士通Zinraiベースの手書き日本語OCRオプション

2019年09月26日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 PFUは2019年9月26日、業務用OCRソフトウェア「DynaEye 10」において、新たに「AI日本語手書きOCRオプション」の販売を開始した。富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(Zinrai)」を活用し、文字枠のないフリーピッチ記入欄における住所や氏名などの認識精度向上を実現している。クラウドサービスではなくローカルPC上で動作するソフトウェアで処理を行うため、個人情報の取扱いに高い機密性を求める金融機関や行政機関、自治体などでのAI OCR採用にも適するという。

Dyna Eye 10の「AI日本語手書きOCRオプション」概要。フリーピッチの手書き文字におけるOCR読み取り精度を大幅に向上させる

 DynaEyeシリーズは、幅広い業界/業務シーンにおける定型帳票のデータ入力に活用されている業務用OCRソフトウェアだ。そうした帳票の中には各種申込書類の住所/氏名など、文字枠のないフリーピッチ欄に手書きで記入されるものもあり、従来からその読み取り精度向上が課題となってきた。

 今回発表されたオプションでは、富士通のAI OCR技術「Zinrai手書文字列認識技術」をDynaEyeに組み込むことで、フリーピッチ手書き文字の認識精度を大幅に向上させている。具体的には、手書き文字から候補文字と信頼度を導く「異種深層学習モデル」と、その文字をつなげた文字列候補の信頼度を導く「言語モデル」を組み合わせ、文字の読み取りと判別、補正を行うことで、従来の手法で実現しなかった読み取り精度を実現している。なおフリーピッチ記入欄が複数行に渡る帳票にも対応する。

 PFUにおける技術検証テストでは、手書き住所で95.5%、手書き氏名で94.4%の認識精度を記録したという。

サンプル手書き帳票の読み取り結果。従来方式(上段)が誤認識した文字もZinrai(下段)は正しく読み取っている

富士通「Zinrai手書文字列認識技術」の概要。文字単位で信頼度(各候補文字である可能性)を算出した後、文字列として再度信頼度を算出することで読み取り精度を高めている

 また同オプションでは、AI OCR技術をソフトウェアに組み込んだ形で提供する。読み取り処理にクラウドサービスを使わず、すべてローカルPC上で完結するため、個人情報が含まれる書類画像をクラウドにアップロードしたくない、あるいはインターネット接続できないシーンでも活用できる。なお学習モデルはGPU非搭載PCでの処理に最適化されており、GPU搭載のPC/サーバーと同等の速度で処理できるとしている。

 今回は、PC向けスタンドアロンパッケージ「DynaEye 10 帳票OCR Entry」用オプション、組込開発用パッケージ「DynaEye 10 帳票OCR SDK」用オプションの2種類が発売されている(サーバー製品用オプションも今後提供予定)。オプションライセンスの購入形態は、買い切り型、サブスクリプション型(年額使用料、保守付き)の2種類がある。オプション単体の価格は非公表だが、最小構成(PC1台、スキャナー1台、DynaEye 10 帳票OCR Entry+AI日本語手書きOCRオプション 1セット)の税抜き参考価格は「100万円から」としている。

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