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SPORTS X Conference2018

2020年東京の先を目指すスポーツビジネスの未来

2018年11月26日 06時00分更新

文● 竹中玲央奈(リンクスポーツ) 編集● ガチ鈴木 /ASCII編集部

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 慶應義塾大学日吉キャンパスでが開催されたカンファレンス「SPORTS X Conference2018」では、「スポーツ×〇〇」のさまざまな切り口からパネルディスカッションと講演が行なわれた。その中で、スポーツベンチャーの代表を務める4人が登壇し、「日本のスポーツベンチャーの未来」をテーマにトークセッションを実施した。

 ユーフォリアの橋口寛氏をファシリテーターに据え、ookamiの尾形太陽氏、Link Sportsの小泉真也氏、そしてSPLYZAの土井寛之氏が、スポーツベンチャーの現状や未来について赤裸々に語る。

成長を見せるスポーツベンチャーの実態

橋口「ここ数年で、日本のスポーツベンチャーを取り巻く環境はどのように変わってきていますか?」

尾形「5年前と比べるとベンチャー企業には総額で6倍くらいの資金が集まっていますし、起業しやすい環境が出来上がってきています。まだまだスポーツベンチャーの数は少ないですが、その分だけ今はチャンスが転がっていると思っていますね。採用に関していえば、スポーツベンチャーはもっと良い人材が集まる環境にしなければいけないですし、スポーツ界以外の人間が入ってくることも重要だと考えています」

小泉「スタジアムを見ているとわかりやすいですが、WiFiの導入など、スポーツ界のIT化がようやく進んできています。ただ、やはりアメリカやヨーロッパだと、スポーツベンチャーは球団もしくは大企業が買収して、ベンチャー側はキャピタルゲインを得るという考え方がありますが、日本ではまだまだ定着していません。今後はよりスポーツベンチャー企業の価値を上げていく必要があると思います。

 Link Sportsでは、AZrenaというスポーツメディアを運営していますが、これはスポーツ界の裏側や業界で働く人にフォーカスを当てています。選手ではなく、審判やビジネスサイド、クラブスタッフなどを取り上げることによって、スポーツビジネスに携わる人々の魅力や価値を発信していき、多様な人にこの業界に入ってほしいなと。選手だけでなく、スポーツ業界を支える側の人々に1億円の給与を与えられるような、それくらい価値を見出せるような国にしていきたいという想いがあります」

土井「2年前に新卒採用を出した時には、2ヶ月くらい経っても一人も集まりませんでした。その時は日本人はなかなか集まらないと感じて、人材採用サービスを使って外国人を雇用しました。それが、ここ半年くらいで月に1~2人は、ホームページを見た日本人から、公募していないにも関わらず、採用の問い合わせが来るようになりました。そういう経験もあり、世の中にスポーツベンチャーが認知され始めてきたように感じています」

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