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業界人の《ことば》から 第314回

日立がソニー製テレビを販売 白物家電とテレビの連携進むか

2018年10月18日 11時30分更新

文● 大河原克行

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モノづくりからソリューションの提供へ

 日立の家電事業が目指しているのは、人々の暮らしの中で生活課題を解決する「生活ソリューションカンパニー」だ。

 それは、日立グループ全体が目指す「社会イノベーション事業」とも合致する。家電事業は、社会イノベーション事業の4つの注力分野のひとつである「アーバン」に含まれる。徳永社長は「社会イノベーション事業の中心にいるのは『人』。そして人との接点を担い、人に一番近いポジションにあり、そこでソリューションを提供するのが、日立の家電・空調事業である」と位置づける。

 新会社設立のリリースでは「お客さまが豊かな暮らしを実現するためのソリューションを提供する新会社」と表現している。つまり新会社では、これまでのプロダクト単体ビジネスから、ソリューション型ビジネスへの転換を標榜しているともいえる。

 徳永社長は「第1の柱がプロダクト事業の強化・拡大。そして、第2の柱がソリューション事業の創生。プロダクト単体としての開発は今後も継続・強化するが、社外のパートナーとも積極的にコラボレーションしながら、スマートライフ事業の創生とスマートシティーやスマートホーム事業を立ち上げていくことになる」とする。

既存事業の強化と新事業の創生が新会社の柱

 そして、こうも語る。

 「洗濯機、冷蔵庫、掃除機といった家電をエッジデバイスとして捉えれば、そこから収集するデータをもとに、生活者がどういった行動をしているのかを知ることができる。複数のデータを積み重ねることで、家庭で抱えている課題や行動様式も収集でき、便利で、安心、安全、快適な生活を届けることもできるだろう。生活者に、価値を還元することが可能になる」とする。

 家電同士がつながることでソリューションを提供する素地を作り、そこでは外部のパートナーとも積極的に新たな価値を提供する、というのが今後の日立の家電事業の姿だ。

 そのためには開発、製造、販売、サービスを一体化した事業体制が不可避であると判断した。

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