Cybozu Days 2018が福岡を皮切りにスタート、kintone hive fukuoka vol.3開催
楽しいは正義!kintoneとノンコーディング開発の限界を楽しむ人々、福岡に集う
2018年09月11日 10時30分更新
AI実装やLINE通知、ノンコーディングでここまでできる: kintone hack
最後は、kintone hive恒例のkintoneデベロッパーによるLT大会「kintone hack」。今回は「ここまでできるkintone」をお題に、オルターブース松本典子氏、AISIC久米純矢氏の2人が、それぞれ5分間のLTを行った。
オルターブースは福岡に本社を構えるクラウドインテグレーター。松本氏はここでデザイナーとして活動している。ちなみに、kintoneコミュニティでは超有名なアールスリーインスティテュートの「gusuku」のサービスロゴやコーポレートロゴをデザインしたのは松本氏だ。
Microsoft AzureのMVPとして、主にAzure Logic Appsを使ったノンコーディング開発の情報発信をしている松本氏は、kintone、Logic Apps、そしてMicrosoftのクラウドAI API「Cognitive Services」の感情分析AIを組み合わせ、「お客様からのお問い合わせにクレームが含まれているかどうかを自動判別して、対応優先度(高・中・低)をkintoneアプリに表示する」というAIシステムの構築手順を披露した。
Logic Appsは、指定したイベントをトリガーにワークフローを実行するサービス。「コネクタ」と呼ばれる部品をつないで、様々なサービスと連携するワークフローを作成できる。kintoneとサービス連携するための「kintnoeコネクタ」も用意されており、今回のシステムでは、お問い合わせフォームから送信された内容をkintoneアプリに取り込む、お問い合わせ内容を感情分析AIで判定してその結果をkintoneアプリに優先度として表示するといった連携を行っている。「ノンコーディングでも、AIを実装したkintoneアプリが作れます!」(松本氏)。
余談だが、Microsoftが提供するLogic Appsに似たサービスに「Microsoft Flow」がある。Microsoft Flowでもkintoneコネクタが提供されているが、現時点ではPremiumコネクタとしてMicrosoft Flowの有償プランでのみ利用できる。一方、Logic Appsではkintoneコネクタが標準で利用できるので、「kintoneコネクタを使うなら、Microsoft FlowよりLogic Appsをおすすめします」(松本氏)とのことだ。
AISICはSIやIT相談サービス、ITセミナーなどを提供する福岡市の企業。同社 代表取締役の久米氏は、kintoneエバンジェリストとして活動している。久米氏のLTでは、「LINE Notify」を使ってkintoneアプリからのプッシュ通知をLINEに送信するシステムの構築手順を紹介した。
LINE Notifyは、Webサービスからの通知をLINEで受信するサービスで、連携するサービスを設定するとLINE公式アカウント「LINE Notify」から個人やグループ宛に通知が届く。
kintoneアプリからのプッシュ通知の受信設定は、(1)LINE Notifyにログインしてアクセストークンを発行(ここで通知を送信するトークルームを指定)、(2)通知を受け取るLINEアカウントに「LINE Notify」という友達を追加、(3)kintoneアプリにアクセストークンを紐づける、のシンプルなステップで完了する。「通知に特化したサービスなので設定がとても簡単。送信内容を事前にチェックでき、ログを残すことができるので業務利用にも向いています」(久米氏)。
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今回のkintone hackでは、松本氏、久米氏の2人ともに、ノンコーディングでアプリ開発ができるkintoneと外部のノンコーディング開発ツールを組み合わせて、kintoneの可能性を拡張してみせた。kintone hiveのほうに登壇した京王電鉄 虻川氏の言葉を再度引用すると、kintoneやノンコーディング開発で「100点満点のシステムを狙うのは難しい」のは事実かもしれない。「しかし、スピードとコストでは負けない」のも事実だろう。だからこそ、ノンコーディング開発でどこまでできるか工夫を凝らして限界に挑戦するデベロッパーを応援していきたい。