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石川温のPCスマホニュース解説 第11回

非常用モバイルバッテリーを用意したい:

災害とスマホ 今回の教訓は

2018年09月10日 09時00分更新

文● 石川温

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東日本大震災の教訓生きた

 今回は2011年に起きた東日本大震災の教訓が生かされたようで、各キャリアの災害対策がある程度機能していたように思う。

 たとえば、街中でスマホに向けて電波を飛ばす基地局にはバッテリーが備わるようになり、停電しても数時間は電波を飛ばし続けられるようになっている。NTTドコモでは24時間、稼働できる準備をしているとのことだ。

 実際に北海道の地震でも、キャリアによって違いはあれど、数時間程度は基地局が稼働し続けたようだ。

 東日本大震災のときはまだバッテリーを備えた基地局は限られていたが、その後、バッテリーを常設する基地局が増えたことで、今回のような大規模停電があっても数時間は耐えることができた。

 またNTTドコモでは、今回初めて、9月6日午後4時26分より釧路市内の一部エリアで大ゾーン基地局を稼働させた。

 大ゾーン基地局とは、半径7キロ程度のエリアに電波を飛ばすもの。本来、基地局は都心部であれば、半径数百メートル程度で置かれていたりするが、それぞれの基地局に電力が供給されないと電波を飛ばすことができなくなってしまう。

 そのため大ゾーン基地局は、そうした複数の基地局が使えなくなってしまっても、広い範囲で電波を飛ばせる基地局を準備しておくことで、通信を維持していくものになる。

 1つの基地局で広い範囲をカバーするため、通信速度が遅いなどの弱点なども存在する。しかし、通信速度よりもまずは通信を確保するという考えから、NTTドコモでは全国に大ゾーン基地局を整備してきたのだった。

 これも東日本大震災の際、津波で基地局が大量に流されてしまった教訓が生きている。

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