「VAIO、法人向く。」の現在を探る 第34回
VAIOの新しい応用例として注目を集めている
Windows 10 IoT Enterpriseと通常版の違い、導入の注意点は?
2018年09月25日 09時00分更新
さらに、企業にとっての利点は、サービス提供モデルにある。
クライアントPCで一般的に利用される「Windows 10 Pro」や「Windows 10 Enterprise」などのエディションでは、常に最新の機能をいち早く提供する最適化モデル「Semi-Annual Channel(Targeted)」(旧CB:Current Branch)や、一定期間アップデートを遅らせることができる企業向け最新化モデル「Semi-Annual Channel」(旧CBB:Current Branch for Business)、ほかに後述する「Long-Term Servicing Channel」(旧LTSB:Long Term Servicing Branch)が適用される。つまりタイミングは多少ずらせてもWindows 10のアップデートは必須ということだ。
ここでWindowsのアップデートについておさらいすると大きく分けて2種類がある。
1つは、セキュリティ上の脆弱性や不具合を解消するための“セキュリティアップデート”と呼ばれるもの。もうひとつが新機能や機能拡張をする“メジャーアップデート”だ。これまでのWindowsでは、セキュリティアップデートは随時実施する一方で、メジャーアップデートはService Packの形で、2年に1度程度と期間を空けた提供だった。
ところがWindows 10ではメジャーアップデートが、年2回と従来と比べればかなり頻度が増している。
ここに頭を悩ませているシステム管理者も多い。OSのアップデートのたびに業務で使用しているアプリが動作するかどうかの確認が必要となるためだ。特にSemi-Annual Channel(Targeted)では、自動的にアップデートが掛かってしまい、出社したらアプリが動作しなかったというトラブルの可能性も出てくる。仮にSemi-Annual Channelにしても、アップデート適用を伸ばせる期間は4ヵ月から最大で1年ほどだ。メジャーアップデートでのサポート期間は18ヵ月であるため、遅くともその期間内にアップデートを済ませなければならない。従来より更新頻度が増えた点はかなりの負担になる。
そこで登場するのが「Windows 10 IoT Enterprise」の固定化モデルだ。Long Term Servicing Channelと呼ばれるもので、セキュリティパッチやバグフィックスによるアップデートはあるものの、メジャーアップデートは適用する必要がなく、最長10年間のサポートを受けられる。検証作業に追われることなく利用できるため、企業にとっても扱いやすいOSとなる。
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