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「HAMR」や「MACH.2」などの新技術を実用化、ハードディスクの物理的限界を突破し続ける

1台100TB超の未来も! データセンターHDD「Exos」でシーゲイトが考えていること

2018年08月03日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: 日本シーゲイト

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 ここ数年、企業データセンター向けストレージ市場で「フラッシュストレージ」に大きな注目が集まっていることは皆さんもご存知だろう。大容量のSSDやフラッシュメディアが急速に低価格化したことで、特に高速性を求めるワークロード/システムにおいてフラッシュストレージへの移行が本格化しつつある。今後もこの動きが続いていくのは間違いない。

 それでは、これまで数十年間にわたってストレージシステムの根幹を支えてきたハードディスクドライブ(HDD)の役割はもう終わるのだろうか。いや、話はそう単純ではない。現実には、企業データセンターがこれから迎える大きな環境変化に対応する役割を明確にしながら、HDDは新たな技術開発を着実に進めているからだ。

 昨年(2017年)、米シーゲイト・テクノロジー(Seagate Technology)ではデータセンター向けの新しいHDDブランド「Seagate Exos(エクソス)」を立ち上げ、将来の方向性や技術ロードマップを明らかにしている。HDDメーカーとして長い歴史を持つ同社のビジネス戦略や最新技術もふまえながら、これからのデータセンターストレージにおけるHDDの役割について考えてみたい。

「Seagate Exos」ブランドのハードディスクドライブ製品(写真はXシリーズ)。Exosというブランド名は「Exosphere(外気圏)」から取られている

2025年のデータ予測:企業では単なるデータ爆発「以上」の変化が起きる

 これからのHDDの役割を考えるうえで、まずは企業における「データ」の状況がどう変化しつつあるか、さらにその未来像を確認しておきたい。

 シーゲイトでは今年5月、IT調査会社のIDCと共同実施した調査レポート「DATA AGE 2025」を公開した。これは生成されるデータの量から生成元、保存場所、保存されるメディアといった予測を含む、企業における“データの未来”を予測した包括的なレポートだ(Webサイトからダウンロードも可能)。

シーゲイトとIDCによる「DATA AGE 2025」レポート(https://www.seagate.com/jp/ja/our-story/data-age-2025/)。企業における“データの未来”が包括的に予測されている

 このレポートでは、企業のデータをめぐっていくつもの興味深い未来予測がなされている。たとえば「“データ爆発”は企業においてより顕著なものになる」という予測である。

 すでにさまざまな調査レポートで、これからの社会ではデータ生成量が爆発的に増加していくというデータ爆発が予測されているのはご存知のとおりだ。DATA AGE 2025レポートにおいても、全世界の年間データ生成量は2016年の16ZB(ゼタバイト)から2025年には163ZBへ、つまり10倍以上に増えることが予測されている。ちなみにZBはTBの10億倍、GBの1兆倍というとてつもなく大きな単位だ。

 ただし、このデータ爆発は社会全体で均等に起きるわけではない。レポートによると、中でも企業で生成されるデータの割合が急速に高まっていくという。具体的には、2015年には全体の30%だった企業データが、2025年には60%を占めるようになる。概算すれば、2025年に生成される163ZBのデータのうち、およそ100ZBは企業において生成されることになる。

 これに加えて、データの保存場所についても「企業」が中心となっていく。たとえば、わたしたちが日々SNSにアップするデータ、クラウドストレージに保存するデータ、家庭向けのIoTデバイスを使って収集されたデータなども、データそのものは最終的にサービス提供者である企業に集約されている。この傾向は今後さらに進み、企業に保存されるデータの割合は2017年の38%から、2025年には57%まで拡大する。

 すなわち、データ爆発は2025年に向けて「企業において」より顕著なものとなっていくのであり、企業のデータセンターストレージはまずその動きに備える必要がある。もちろん、そこでは導入と維持管理に必要な全費用(TCO)もできるだけ抑えられなければならない。

2017年、2025年におけるデータの保存場所(DATA AGE 2025レポートより)。2025年には「企業」に保存されるデータが過半を占めるようになる

 DATA AGE 2025レポートでは、企業に集まるデータは、単に保存するだけでなく「活用」できなければならないことも指摘されている。

 そもそも企業においてデータ生成量が増大する動き、データ保存場所が企業に集中する動きは、いずれも企業ビジネスにおけるデータ価値の高まりに対応したものと言えるだろう。現在、あらゆる業界で「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の動きが始まっているが、「データはデジタル時代の“石油”」とも言われるように、その原動力はデータである。

 ここでデータセンターストレージに求められる要件は、保存してある大量のデータをリアルタイムに活用できることだ。蓄積されたデータをビッグデータ分析したり、AI/機械学習に用いたりできなければ、そのデータをビジネス価値に転換することは困難だろう。

 同レポートではもうひとつ、未来のデータは単に生活を豊かにするだけでなく、より「生活にとって重大な存在」になることも指摘されている。具体的には、日常生活に障害を起こしたり生命にかかわったりする可能性のあるデータが、2025年には全体の20%を占めるようになると予測されている。企業が提供するデジタルビジネスも、これからはより生活や生命の根幹を支えるものとして浸透していくはすだ。したがって、こうした重大なデータを扱うデータセンターストレージは信頼性が高いものでなけらばならない。

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