アプリとのオープンな連携を実現、“ネットワークプログラマー”拡大目指す―「Cisco Live! 2018」レポート
シスコ「インテントベースネットワーク」がいよいよ完成形に
2018年07月04日 07時00分更新
“ネットワークプログラマー”拡大に向けて、日本でもセミナーなど開催へ
Cisco Live!会場内に設けられた「DevNet Zone」は、今年も大盛況だった。今年は新たに、ネットワークやWAN、LAN、データセンター構築関連のコーディングを学ぶ「インフラ開発者向けゾーン」と、「WebEx Teams」や「Meraki」などから得られるインサイトデータを活用するコーディングを学ぶ「アプリケーション開発者向けゾーン」に分割され、来場者のニーズに応じたコンテンツを提供する工夫がなされた。
日本におけるDevNetの取り組みについて高田氏に聞くと、昨年は「DevNet Express for DNA」を3回開催したという。これはハンズオンと座学が中心のイベントだったが、今後はプログラミングやAPI活用のテーマも取り上げていく計画だと語った。また、米国ではDNA CenterをベースにAPIによる自動化を学ぶ最新のトレーニングが開催されており、年内には日本でも同様のコンテンツを提供すべく検討中だ。
DevNetの日本語コミュニティもすでに立ち上がっている。今のところはシスコサポートコミュニティから日本語/英語の両方で問い合わせができ、シスコのエンジニアが回答するかたちだが、高田氏は「今後はコミュニティのメンバーがお互いに支え合えるよう支援していきたい」と展望を明かす。
「昨年、インテントベースネットワークが発表されて以降、ユーザーからの問い合わせも増えている。ネットワークの変革を推進できるよう、いろいろと仕掛けていきたい」(高田氏)
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インテントベースネットワークへの取り組みは、シスコの顧客やパートナーにおいてすでに始まっている。あとはシスコ1社の枠を越えて、ネットワーク業界全体にその取り組みが広がるかどうかだろう。
基調講演では、映画「パワーレンジャー」の劇中歌として使われたThe Scoreの「Unstoppable」が流れた。「私たちはどこにいたってヒーローになれる」。“コスト部門”と言われてきたネットワーク部門は今こそ変わるときだ、ネットワークエンジニアよ立ち上がれ、と鼓舞するメッセージにも聞こえる。
果たしてシスコのインテントベースネットワークは、パラダイムシフトとしてネットワーク業界を変革するだろうか。日本国内での動きも含め、今後の展開に注目したい。