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お坊さんが答えるQ&Aサイト「hasunoha」:

いまこそネットにはお坊さんが必要だ

2018年07月03日 11時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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●数字や他人に振り回されない社会をつくりたい

── 副業をやめて、完全にhasunohaの運営者となりました。これからはどう運営していきたいと思っていますか。

 Q&Aに加えてメディア機能を持たせたいと考えています。最近、日本社会から寛容さが失われているように感じています。何か事象が起きたら日本中で袋だたきにしてしまう。それはよくないんじゃないかと。どうしてそういう事象が起きたのかを考えることが本来は必要なはずですよね。パワハラ、DV、ひきこもり、性差別……いろんな社会問題がありますが、それぞれの事象に「良い・悪い」と言っても仕方がありません。そうではなく「なぜ事象が起きたか」「どうしたら起きないのか」を説いてもらうことで、お坊さん本来の存在価値を上げられるんじゃないかと思っています。

── 最近、SNSをふくめたウェブメディアが人を悩ませている部分があるように感じます。もともとメディアは人々の嫉妬、怒り、恐怖など感情を煽ることで商売をしているところがあると思いますが、SNSの登場で人々が自家中毒になっているところもあるんじゃないかと。

 いまはウェブで他人の姿が見えるようになったため、他人が幸せの尺度になってしまうことがありますよね。断片的な他人の姿が見えることで、自分との差に悩んでしまう。他人を基準に幸せを考えるのはつらいことです。他人がもっているもの、楽しそうにしていることは自分の幸せではないというのが仏教の考え方です。

 いまはなんでもお金や数字が評価軸になっているところもあります。企業はいかに利益をあげるかを考え、数字をあげる効率を求めている。テレビは視聴率、雑誌は発行部数、ウェブならユニークユーザー数(UU)。数字を上げるためにゴシップや煽りを入れていく。企業が収益を上げるのはいいのですが、結果それがみんなに戻っていくかというとそうではない。巷にあふれる他人の事柄をとりあげてワーッと騒ぐのは幸せではありません。結局、幸福に寄与する方向になっていない。そうではなく、自分の幸福を自分の尺度でつくれるような社会になったらいいなと。数字だけでなくそういう社会をめざす企業やメディアがよりも称賛を受けるようになり、よりみんなが幸せになるような社会ができたらいいんじゃないかと。

── 最後に、hasunohaに寄せられた質問と回答の中で、堀下さんが好きなものを教えてください。

 そうですね……hasunohaのことをファンにしてくれている冨永裕輔さんというシンガーソングライターがいるんですが、「hasunohaにテーマってあるの?」と聞かれたときメールで2つの問答を送ったことがありました。

Q.しあわせは椅子取りゲームな気がします
A.自らで椅子を作る(回答僧:川口英俊)
https://hasunoha.jp/questions/14052

Q.真面目な人は損をするように出来ているのですか?
A.損得は自分の心が生んでいる(回答僧:大慈)
https://hasunoha.jp/questions/4532

── なぜこの2つがhasunohaのテーマになるんでしょう。

 子どもがほしくて妊活をがんばっている人が、毎日のように悩みを書いていたことがあったんです。お坊さんと問答をしてていねいにお礼もして、がんばった結果、妊娠できた。でもその人は、妊娠した後も、つわりがあることで悩み、子どもが男か女かということで悩み、生まれたあとも義理のお母さんからどう言われるかで悩んでいました。この人は状況が変わるたびに悩み、永遠に相談をしてしまうんだろうかと思ったんです。Q&Aの良いところでもあり悪いところでもありますが、起きた事柄をどう考えればいいか答えると、現象ごとに悩んでしまうことになる。それだけでなく、そのとき本来どういう心を持てばいいかという話も知ってほしい。メディアを作りたいといったのも同じ理由なんですが、その答えになっているのが2つの問答なんです。


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書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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