日本でAndroidスマホといったら「Xperia」! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。
2012年の後半に登場したもうひとつの「docomo NEXT series」フラッグシップモデルが「Xperia GX SO-04D」です。
Xperia GXのディスプレーサイズは約4.6型という「Xperia NX」の約4.3型からさらに大画面に。 ボディーデザインは「Xperia arc」で採用された背面がラウンドしたアークデザインを採用し、最薄部では約8.6mmという薄さを実現しています。本体サイズは、約69×131×約10.5mmで、重さは約127g。
本体の前面と背面パネルの合わさる境となるサイドラインには、メタリックな一本のラインが流れ、背面素材は滑りにくく手に吸い付くような持ちやすさのあるマットな質感でした。カラーバリエーションは、ブラックとホワイトの2色。
ディスプレーは4.6型(720×1280ドット)の高精細なHD“Reality Display”を搭載。光の反射を抑えて色彩をあざやかに表示する「クリアブラックパネル」や、色彩を鮮やかに表現する「モバイルブラビアエンジン」も備え、さらにピクセル密度が323dpiと高密度なので、写真や動画を高精細に楽しむことができました。
Xperia GXから「Sony Ericsson」のメーカー名が消失し、SONYロゴへと変更に。ディスプレー下部に移動した、SONYロゴは画面のオンオフとともに光るギミックがあります。そして背面にある、緑目玉のSony Ericssonロゴが残ったものの、次機種からはなくなったため最後のソニーエリクソンモデルとも言われていました。
カメラ性能ですが、リアカメラは1300万画素の裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R for mobile”にF2.4のレンズを備え、手ブレ補正やノイズを抑える機能を搭載して、フルHD動画や3Dパノラマ撮影ができました。スリープモードからキーロック解除をしなくてもカメラキーを長押しすることでカメラが起動して即撮、AF固定して撮影間隔約0.6秒の素早い撮影が可能です。フロントカメラも約130万画素で、720pのHD動画まで撮影できます。
ただ、Xperia GXのリアカメラはポッコリと出っ張っており、この部分については賛否両論がありました。
音楽再生機能としては「WALKMANアプリ」を搭載。同社のオーディオプレーヤー「ウォークマン」のネーミングを採用するなどして、イメージを共通化しています。
エンタメ機能では、重低音や左右のバランスよく音が聴こえる「クリアステレオ」、迫力の大音量で楽しめる「xLOUD」、好みの音質に設定できる「マニュアルイコライザー」、バーチャルサラウンド技術(VPT)など、Xperiaでも良い音で聴ける機能を多数搭載していました。
新しい「アルバムアプリ」では、写真や動画の月別表示や地図上での撮影場所の表示、Facebookなどオンラインアルバムとの連携などが可能。お気に入りの写真を見つけると、ピンチで拡大・縮小できたりと、思い出の写真を楽しめる機能が備わっています。
また、MHLに対応したmicroUSB端子を搭載したのはXperiaシリーズではこのGXが初。TVドックやHDMI変換コネクターを利用することで、Xperiaへ充電しながらテレビへ映像出力できました。テレビと接続すると、テレビ画面での操作に便利な専用のUI「TV launcher」が表示されるというテレビとの親和性の高さもありました。このへんはテレビも作っているソニーらしいですね。
最後にスペック。SoCはSnapdragon MSM8260(1.5GHz、デュアルコア)、メモリーは1GB、内蔵ストレージは16GB。OSはAndroid 4.0、バッテリー容量は1700mAh。Wi-Fi(IEEE802.11g/b/n)、Bluetooth ver. 3.1、そしておサイフケータイは搭載されているものの、防水・ワンセグ・赤外線通信は備わっていませんでした。
通信方式はXperiaシリーズ初となるドコモの高速通信「Xi」(クロッシィ)に対応。下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsのデータ通信が、一部エリアながらも可能となったモデルでもありました。モバイル通信がより高速になっていく時代に登場した1台だったのです。
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