AS SSD Benchmark
続いて「AS SSD Benchmark」を使用してパフォマンスをチェックしていこう。テストデータの容量は1GBで実行している。
シーケンシャルはリード約504MB/秒、ライト462MB/秒で、SATA3 2.5インチSSDのハイエンドモデルと同クラスのパフォーマンスを発揮している。
ランダムアクセスの「4K-64Thrd」は、リードが130.70MB/秒の3万33459IOPS、ライトが305.16MB/秒の7万8122IOPSと公称値を上回っている。SSDだけあってHDDよりも圧倒的に高速だが、SATA3接続のミドルやハイエンドモデルと比べると少々足を引っ張るシーンも出てくるだろう。
ATTO Disk Benchmark
次は「ATTO Disk Benchmark 3.05」を使ってシーケンシャルアクセスの最高性能を確認していこう。
シーケンシャルの最高値はリードが約535MB/秒、ライトが公称値を大きく超える約481MB/秒を記録している。さらに128KB以降は公称値を上回る最高値台を安定して発揮している。この点は、エントリークラスのSSDとしては大きな魅力になる。
HD Tune Pro
パフォーマンスチェックの最後は、「HD Tune Pro 5.7」だ。
注目は「File Benchmark」100GBの結果になる。TLC NANDを採用するSSDの多くは、苦手な書き込み速度を底上げするために、NANDフラッシュの一部をSLCキャッシュとして利用している。
そのためキャッシュ容量を超える書き込みが発生すると、500MB/秒台から300MB/秒台までなど、ガクッと落ち込む製品もあるが、「2710DCS23-360」は容量100GBの連続書き込み実行時も450MB/秒の速度を発揮している。
製品によっては、6GB程度から速度低下を起こすだけに、容量に関係なく安定した書き込みが可能なのは大きなメリットになる。
また、全領域の転送速度を計測する「Benchmark」では、リードが平均370.4MB/秒、ライトが平均325.9MB/秒で、ブレはあるが変な挙動はなかった。
ランダムはいまひとつだが総合力は高い
手ごろな価格で扱いやすい容量になっているKingFast「2710DCS23-360」。ミドルやハイエンドモデルではリード・ライトともに350~400MB/秒程度になるランダムアクセスが、リード130~220MB/秒、ライト240~320MB/秒と、エントリーSSDのなかでも少々遅めになるが、大容量データの書き込み時もキャッシュあふれによる速度の低下のない安定した書き込みができる点は魅力的だ。
コストを抑えて、システムとアプリや写真、動画、ゲームのデータを余裕で保存できるSSDが欲しい人は、選択肢としてKingFast「2710DCS23-360」を検討してみよう。もちろんシステムはNVMe M.2 SSDで、データストレージに「2710DCS23-360」というのもありだ。
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