「バトル・ロワイアル」という小説をご存知だろうか?むしろ今となっては小説の名前というよりはゲームジャンルに取って代わったというべきかもしれないが、2000年当時は様々な媒体で物議を醸した作品でもある。作品の内容はともかくとして、何処かに隔離された参加者が生き残りをかけて殺しあうというテンプレートはゲームにおいてもかなり転用されていて、同名のCGIを利用したブラウザゲームも2000初頭では10代のプレイヤー間では非常に盛り上がっていた。
2017年以降、このシステムを流用したゲームは「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(PUBG)の影響もあり、大流行している。元々「Arma 3」のMODであった“PLAYERUNKNOWN'S Battle Royale”のスタンドアローンとも言える作品ではあるが開発者本人の名前を冠した“PUBG”を知らぬ者は今はいないと言ってもいいだろう。
荒野を駆け、要塞を建てるわけではないが第75回は知識で戦うバトルアリーナタイプのバトルロイヤル「Balck Survival」を紹介する。
知識が全て、島を駆けずり回れ!
プレイヤーは謎の研究員から実験体として、どこかにある島での命を賭けた殺し合いに参加させられるハメになる。マルチプレイモードでは自分を除いた9人のプレイヤーを殺すなどして生き残るか、とある特殊な条件を達成すれば勝利となる。後者はかなり特殊となるため割愛するが、単純に生き残ればいいと言ってしまった方が勝利目標は理解しやすいだろう。
プレイヤーが取るべき行動は“島内の移動”・“指定位置の探索”・“他の実験体の殺害”の大まかな三つに分けられる。実験体にはHPとスタミナがあり(画面左下)、HPが0になった場合は死亡となりゲームオーバーとなる。スタミナは移動や探索を行うことで消費され、0になると行動の際にHPを消費してしまう。管理には気をつけよう。
本作品はほぼ全てのアイテムが材料を組み合わせることで違うアイテムを作り出せるのが特徴といえる。そのため、上位のアイテムを作っていかなければ勝つことは非常に難しい。アイテムがどこにあるかは事細かに決まっているため、まずは何がどこにあって、何を作れるのかを把握するのが勝利への近道だ。また、素材となるアイテムは存在する個数も細かく定められているので既に誰かに取られている可能性も考慮する必要がある。
そんな行動を決めるのはアイテムだけではない、プレイヤーが扱える実験体はかなりの人数が実装されており、それぞれが持つ能力や得意武器も千差万別だ。デフォルトで使用可能な“ヒョヌ”であれば開幕から他のプレイヤーに殴りかかることを前提としている。他にも探索が得意な実験体であったりと立ち回りは大きく変わる。だが、使用武器には熟練度がもうけられており、実際に戦闘を行わないと熟練度があがらず肝心な場面で当たらなかったりダメージがでなかったりするので、ある程度はどの実験体でも戦う必要性がある。
探索では他の生存者だけでなく、野生動物などもうろついている。相手から見つかった場合は相手の攻撃を受けてしまうが、ある程度の反撃ダメージは与えられる。上記画像の様にこちらから発見した場合は相手を攻撃するか逃げるか選択が可能だ。攻撃した場合は同じようにある程度反撃を受けるので自分のHPには注意しよう。戦闘を行うと、騒音が発生したと近くの生存者にも通知されてしまうので危ない時はマップ自体から移動して逃げることも重要だ。
騒音通知は画面の左下に出るので、戦闘の漁夫の利を狙いに行くのも良いが安全だと思われる地域に行くのも戦略だ。
スマートフォン?無料ゲーム?侮ることなかれ
本作品は元々スマートフォンで2015年位から“ブラサバ”という名称で提供されている作品だ。そのため、今回の記事の前から名前だけならば知っていたという人もいるだろう。更に、私が本コーナーで紹介する中でもプレイ料金無料の作品は今回が初めてとなる。 事実、私は今回記事を書く前は「無料だし、課金が幅をきかす作品なのだろう。」という先入観があったことを否定するつもりは無い。
スマートフォン版からSteam、Steamからスマートフォンにデータ移行も可能だ。元からプレイしていたユーザーでもSteam版にチュートリアルの終了後にデータを移行できる。移行するデータから引き継ぎデータを読み込むことでスムーズに移行可能だ。そのため、寝る前や通勤・通学中にもPCでプレイした後にという遊び方も可能だ。
今流行のバトルロイヤルというジャンルをLoLやDotaなどに代表されるMOBAに近いストラテジー作品のようなゲームデザインにしながらも、本作品は知識が一番の武器であり操作量をそこまで求めないという点が特徴だ。
実際にプレイして優れていると感じたのは、そのMOBAの要素をシングルプレイでも成り立たせている点にある。キャラクターの成長、アイテムビルド、ファーミング(探索)、ギャンクと言った要素をバトルロイヤルで実現させているのは重ねて賞賛するべきだ。更に世界中のプレイヤーがリアルタイムで10人動き回っているが、執筆期間中ラグと呼べるようなこともなく非常に快適でスピーディーなゲーム展開であったのは特筆に値するだろう。
スマートフォンベースのゲームと言うとあまり良いイメージがないのも事実で、プレイするのに休憩時間が必要だとかお金だけが延々とかかるとネガティブなイメージがつきまとう中で本作品にはそういった点はほぼ無いと言っていい。実際課金で楽になるのは常にプレイアブルにできる実験体の入手速度くらいだ。ただ、その実験体もプレイしていれば時間はそれなりにかかるがゲーム内での報酬で手に入る。
気軽にプレイできるバトルロワイアルゲームとして一度島中を駆け巡ってみるのはどうだろうか?全ての実験体の屍の上に立とう。
「Black Survival」の推奨動作環境は?
最低動作環境のグラフィックの要件がVRAM 128MBかつ数年前のスペック程度になっている。ここ数年のPCに搭載しているGPUを内蔵したCPUなら問題なく動作するだろう。
『Black Survival』
●Archbears
●無料(2017年12月6日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル EaryAccess、無料プレイ、サバイバル、アニメ、ストラテジー、独立系開発会社
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
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