メッシュネットワークで家中まんべんなくWi-Fi網羅
年々進化しているが、ついつい買い替えのタイミングを逃してしまいがちなWi-Fiルーター。ここ数年はアンテナをいくつも載せたパワフルな製品が流行していたが、最近は1台のルーターの電波強度を強化するのではなく、複数台を設置して相互に通信させることで広い空間をカバーするタイプのルーターが流行している。そこで使われているのが、“メッシュネットワーク”と呼ばれる手法だ。
メッシュネットワークの利点は3つある。1つは、Wi-Fiを利用するデバイスの増加に対応しやすいこと。最近はWi-Fiに接続する家電なども増えてきたため、一台でカバーしようとすると処理が追いつかないことも考えられるが、複数のルーターで少しずつ分散すればそういった問題も一気に解消されるわけだ。
2つ目が、ネットワークを網の目のように構築することで、耐障害性を高められること。最適な通信経路を常に確保できるのはもちろん、万が一ルーターの一部に不具合があったとしても、他のルーターを中継することで通信を途切れることなく利用できる。3つ目は、ネットワークのSSIDがルーター間で共通なのでWi-Fiの設定を考えずに利用できるところ。電波強度によって自動的に利用するルーターをスムーズに切り替えられるほか、5GHz帯と2.4GHz帯でもSSIDが同じため、接続設定する際に迷わずに済むのもいい。これからルーターを買い替えるのであれば、メッシュネットワークに対応した製品をすすめたいところだ。
こうした利点を兼ね備えた製品が、今回紹介するASUSの最新ルーター「Lyra mini(ライラ ミニ)」。基本的には複数台を利用してメッシュネットワークを構築することが想定されており、製品は単体販売のほか、2台セットも用意されている。なお、ネットワークの構築には最大5台までのLyra miniを使用可能だ。
本製品は、手のひらに乗る円形のデザインで、サイズは130(W)×130(D)×37.5(H)mm、重量は204g。アンテナを3本内蔵し、5GHz帯と2.4GHz帯のデュアルバンドに対応する。802.11acの最大速度の理論値は867Mbpsと、最近のパワフルなルーターほどではないが、一般家庭で使う分にはまず問題ないだろう。背面にはギガビットLANポートを2つ備え、Wi-Fiだけでなく有線LANで接続しての利用も可能だ。たとえば、すでに家中に有線LANが敷設されていれば、メインとなるLyra miniを設置し、そこから有線LANで接続していけば、メインルーターとの距離に関係なく、各部屋で快適なWi-Fiライフを満喫できるはずだ。なお、給電はUSB端子を利用したACアダプターを使用する。
設置からセットアップは、従来のようにPCからWi-Fiもしくは有線LANで接続して、ブラウザーでIPアドレス入力して……という方法もあるが、スマートフォンの専用アプリ「ASUS Lyra」で設定していくのがもっとも簡単でラクだ。ACアダプターから付属のケーブルで接続すると、天面がさまざまな色に明滅しだす。ルーターの状態は、すべてこのLEDによる光で表現されるので、一見してわかるようになっている。もちろん、設定でLEDのオン/オフは可能なので、寝室などで明るすぎると思ったらオフにするといい(その際、すべてのLyra miniのLEDがオフになる)。