ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第453回
10nmプロセスの遅延でWiskey LakeとCascade Lakeが浮上 インテル CPUロードマップ
2018年04月09日 12時00分更新
インテルは北京で4月3日(現地時間)に発表会を開催し、28製品もの第8世代Core i/Core-Xを新たに発表した。
もっとも発表会そのものもデスクトップよりモバイルに焦点を当てたものになっており、Optane SSD絡みで少しだけデスクトップは出てきたものの、メインはモバイル初の6コアCore i7や、さらにAlienwareのモバイルCore i9搭載ノートなども発表会では示された。
それはともかくとして、今回追加された28製品のうち、モバイル向けは11製品で、残り17製品はすべてデスクトップ向けとなっている。ということで、そのデスクトップ製品について解説しよう。
第8世代Coreシリーズに
Pentium GoldとCeleronが追加
まずCore i7に関してはTDP 35Wの「Core i7-8700T」のみが追加になった。Turbo時は最大4GHzまで行くが、定格は2.4GHz。ちなみにConfigurable TDPで1.9GHzまで落とすと25Wまで下がる。さすがに6コアともなると、「Core i7-7700T」(4コア/8スレッド、定格 2.9GHz/Turbo 3.8GHz)より定格が下がるのはどうしようもないが、そこはTurbo時の周波数を上げることでカバーという感じだ。
一方Core i5については8500/8600に加えて8400T/8500T/8600Tがラインナップされた。TなしモデルはTDP 65W、Tモデルは35Wでここはそれほどおかしなところはない。
その下のCore i3は8100T/8300/8300Tがラインナップされるが、やはり8100Tのみ3次キャッシュが6MB、というのは8100/8350Kのときと同じで、意図的に8100のみ3次キャッシュの容量を2MB減らしているのは間違いない。ちなみに「Core i3-8300」のみ、TDPが62Wという中途半端な数字になっている。
さて、今回新規に追加されたのが、Pentium GoldとCeleronである。Pentium GoldはG5400/G5400T/G5500/G5500T/G5600の5製品。2コア/4スレッドという、第7世代までのCore i3のスペックがここに降りてきた形になる。
当然ながらTurbo Boostは無効であり、また動作周波数も最大で3.9GHzどまりとなっており、微妙にオーバーラップしつつもCore i3-7100/7300/7350Kよりはやや低い程度の性能に抑えている感じだ。もっとも価格はG5500で82ドル、G5600で93ドルとお手頃価格に抑えられており、一番安いCore i3-7100でも117ドルだったCore i3-7xxxよりもお値打ち感は高い。
このPentium GoldはRyzen APUのローエンド(99ドルのRyzen 3 2200G)が競合であって、「Ryzen 3 2200Gでもまだ高い」というユーザーを抱え込むための方策と思われる。実際これ以下の価格ではAMDはBrisdol RidgeのAMD A12やAMD A10しかラインナップがなく、これらに比べるとずっと競争力があるのは間違いない。ボリュームマーケットのシェアは渡さないという強いインテルの意思が感じられる構成になっている。
ローエンドがCeleron G4900/G4900T/G4920の3製品である。こちらはハイパースレッディングも無効で、動作周波数がCeleron G3xxxxより若干引き上げられた程度にとどまり、価格もG4900で42ドル、G4920で54ドルと据え置き状態である。
強いて言えば、Celeron G3950はTDPが51Wに抑えられていたのに、Celeron G4920では54Wに引き上げられているのは、やはり14nm++プロセスによる消費電力増が効いているものと思われる。
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