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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第56回

電子マネー戦国時代 どっちが便利?プリペイドとポストペイド

2017年11月28日 17時00分更新

文● 前田知洋

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 筆者はNTTドコモで契約しているiPhoneユーザーです。ご存じのように、大手キャリアでは「2年縛り」という特有の契約形態があるので、「今回のiPhone 8/8 Plus、iPhone Xへの機種変更で、非接触型の電子マネーが利用できるようになった」というユーザーも多いのではないでしょうか。遅ればせながら、筆者もその一人です。

 筆者はiPhone 6sからiPhone 8 Plusへの機種変更だったので、レジで携帯電話で支払いができる「Apple Pay」が今回初めて使えるようになりました。非接触の充電もそうですが、2年ぶりの最新iPhoneへのアップデートは結構嬉しいです。

クレジットカード登録もラグジュアリー!?

 iPhoneのアプリ「Wallet」へのクレジットカードの登録は簡単です。iPhoneのカメラにクレジットカードをかざすと、カード番号やカード会社の種類が読み込まれます。アプリ内のクレジットカードを有効にするためにはアクティベートが必要。アクティベートでは、SMSかメール、電話でカード承認ができるのですが、筆者が登録したアメリカンエクスプレス ビジネスカードの場合は、その選択肢が現れず、いきなりグローバル カスタマー サービスに自動で電話がかかりました。

 電話口のオペレーターに用件を伝えると、慣れた様子で必要事項を聞かれ、手続きは数分で終了。iPhoneの画面に「アクティベート終了 Apple Payでの利用可能になりました」と表示されて完了です。

 じつは、夜中にアプリ登録をしていたので、グローバル カスタマー サービスに電話したのも、かなり遅い時間。なので、電話口でオペレーターに「どうかなされましたか?」と心配されました。筆者が「遅い時間なんですが、iPhoneにクレジットカードを登録中でして …」と事情を話すと、大変丁寧に対応してくれ、最後には「新しいiPhoneでの買い物を楽しまれて下さいね」と素敵なコメントまでいただきました。余談ですが、やっぱりアメックスはラグジュアリーな感じ…(笑)

カードのイメージが忠実なのも嬉しい「Apple Pay」の画面

電子マネーにはプリペイドとポストペイドがある
先にお金をチャージするプリペイド型電子マネー

 筆者は電子マネーについては、ほぼ初心者。さすがにSuicaは使っていましたが、仕事柄、車の移動が多いので、たまにSuicaにロックがかかります(Suicaは3ヶ月間使用履歴がないと、一時ロックがかかります)。その場合は、切符売り場で再チャージをしたり、駅員さんにお願いするとすぐに解除してもらえます。ちなみに、10年使わないと永久ロックがかかり、使用不能になるそう。

 SuicaやPASMOなど、鉄道系の電子マネーはあらかじめカードにお金をチャージしておくプリペイド方式。他にはセブン&アイ・ホールディングスのnanacoなども普及しているのはご存じの通りです。

 プリペイド方式は、使う前にお金をチャージしておかなければならない、チャージできる金額の上限が2~3万円と限られているなどのデメリットがあります。その理由は、サインや暗証番号の入力などのプロセスがなく、タッチするだけで支払えることから、紛失や盗難時を想定しているから。その反面、本人確認がなく短時間で使えるメリットがあります。(クレジットカードからチャージできるプリペイド電子マネーは後述します)。

iPhoneと相性が良いポストペイ型電子マネー

 レジで支払った後に銀行口座などから引き落とされるポストペイド型の電子マネーは、QUICPayやiDがあります。メリットはいちいち事前にチャージする必要がないこと、紛失、盗難などの不正使用されたときは保証があることなど(保証内容は発行会社によって異なります)。デメリットはクレジットカードが必要なので、未成年者などは持ちづらいかもしれません。

 ポストペイド型の電子マネーは、iPhone7以降の指紋承認やiPhone XのFace IDといったロック機能と相性が良いと個人的には思っています。とくに、iPhone 8のロック画面からのホームボタンのダブルクリック(iPhone Xではサイドキーを2回押す)が本当に迅速です。Walletアプリの起動と同時に指紋承認をするスピードはかなり快適!

電子マネー戦国時代

 だんだんと普及し、使いやすなってきた電子マネー。たまに会計カウンターで「QUICPayで」と伝えると、レジスターを操作する新人さんがパニクることがないわけではありません。まぁ、こちらも電子マネー初心者なので、イライラすることもなく、むしろ最近のレジスターの機械のボタンの多さに同情したりもしています。

 ただ消費者の立場からワガママを言わせてもらえば、電子マネーの規格が多すぎる気がしないでもありません。さらにクレジットカードとプリペイド電子マネーの一体型カードでありながら、お互いを紐付けるには別途登録や申請が必要なのも不便です。

 おそらく、企業サイドの電子マネー戦国時代みたいなものかもしれませんが、庶民にとっては「天下泰平」をただ、ただ、望むばかりなのです…(笑)。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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