iPhone X(とiPhone 8/iPhone 8 Plus)ではワイヤレス充電対応が話題になっているが、「30分で最大50%充電」という高速充電にも新たに対応している。本当にそんなに高速で充電できるのであれば、朝起きたときにiPhoneのバッテリーが切れてしまっていても、家に出るまでの短い時間で、1日なんとかなる程度に充電できることになるが、そんな都合のいい話があるのか実際に試した。
付属品だけでは× MacBook付属のACアダプターと
USB-C-Lightningケーブルが必要
まずはiPhone X/8の高速充電で必要な機器についておさらい。付属品のACアダプターとケーブルでは不可能なのである。
具体的には製品紹介ページにあるが、まずACアダプターとして「Apple USB-C電源アダプタ(29WモデルA1540、61WモデルA1718、87WモデルA1719)」のいずれか。これはUSB Type-C経由で充電する、現行のMacBook、MacBook Pro 13インチ、MacBook Pro 15インチにそれぞれ付属しているものだ。ちなみに29Wタイプでも税抜5200円。別途購入するとなるとそこそこの価格がする(61Wタイプは税抜7400円、87Wタイプは税抜8800円)。
ちなみにサードパーティー製のUSB PD対応ACアダプターでも高速充電が可能かもしれないが、そちらも相応の価格はするのと、USB PD周りの互換性の問題やそもそもの品質、さらに保証までを考えると、アップル純正品が断然オススメというか、手っ取り早いだろう。
もう1つ必要なのがケーブル! USB Type-C-Lightningというタイプのケーブルは、アップルが認めている製品は純正品のみとのこと。MFi認定のサードパーティー製品もない。というわけで、こちらは1択。1mタイプで税抜2800円、2mタイプで税抜3800円。なかなか高価だ。
本当に空の状態から30分で約50%まで充電
本体はそれなりに熱くなる
と、必要な機器を集めたところで、ようやく高速充電の実験を開始。今回用意したACアダプターは29Wモデルと61Wモデルの2つ。ちなみにACアダプターに書かれたスペックを見ると仕様が異なっており、5.2V/2.4Aは共通なものの、前者は14.5V/2A、後者は20.3V/3Aと9V/3Aとなっていた。
製品付属のACアダプター(5V/1A)とともに、iPhone Xのバッテリーを空にしてから充電スタート。付属品では電源が入るまでに数分かかったのに対し、急速充電は1分ほどで電源オン。どんどん充電されているようだ。
ちなみにワットチェッカーで測定した数値は、付属品は5V/1A、29Wモデルでは14.4V/1A、61Wモデルでは9V/1.6Aといったところ(どこまで正確かは不明だが)。後者2つのACアダプターの場合は、電圧は違ってもともに14W程度で充電しているようだ。
さて30分後のバッテリーの数字は付属品が19%、29Wモデルが49%、61Wモデルが51%。「30分で最大50%充電」というスペックはほぼ実現されていることがわかった。
ただし若干気になったのは、高速充電では本体がかなり熱を持っていたこと。もちろん安全な範囲で充電していると思われるが、気になるという人は気になるかも。
1万円近い金額を支払って環境を整えるかは判断が分かれそうだが、MacBookユーザーなどで追加コストが必要ない人であれば1度試してみては?
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