Ryzen Mobileの詳細をAMDが公開
15Wの中で最大効率となるよう周波数を変動
GPU統合Ryzenの性能を推察するために、Ryzen Mobileの内部構造を解説しよう。基本的には既存のZenコアのCCX(Core Complex)をひとつ、それとVega GPUをInfinity Fabricで統合した形である。
大きな部分では既存のRyzenおよびVegaと違いはないが、細かい部分での改良が若干ある。1つ目はPrecision Boost 2。Turbo状態から定格まで落とす際に、いきなり動作周波数を落とすのではなく、動作スレッド数にあわせてじわじわ落としていく仕組みだ。
下の画像はOCCTを使って実際に測定した例で、スレッド数が増えるほど緩やかに定格周波数に近づいていくのがわかる。これにより、より高い動作周波数を維持できるようにしようというものだ。
2つ目がMobile XFR(mXFR)で、従来のXFRよりもさらに動作周波数を引き上げる仕組みだ。もっともこのためには電源供給回路や放熱などで、AMDの定める条件を満たしている必要があるので、すべてのノートでこれが利用できるかどうかは不明である。
機能としての違いはこの2つ程度だが、内部ではもう少し(主にGPU側に)手が入った。まず電圧管理。Zenコアは外部に定電圧レギュレーターを置き、そこからの電圧をLDOレギュレーターを使ってコアごとに変化させる方式を取っているが、同じ仕組みがVegaコアにも導入された。
ビデオカードのVegaコアにはこの機能が入っておらず、今回Vegaコアに新規に導入されている。この結果として、CPUコアとGPUコアの電圧レギュレーターをまとめて1つにでき、Bristol Ridgeはもちろんインテルの製品と比べても、より効率よく、しかも低価格に実装可能になったという。
個別にLDOを搭載するため、当然個別に動作周波数や電圧が買えられる、下の画像このシステムで、おおむね1ミリ秒ごとに最適な動作周波数/電圧の設定を行なっているという話であった。
3DMarkのFireStrike実施時のCPU/GPUの変動を示したものが下の画像だ。トータルで15Wという消費電力の枠の中で最大の効率となるように変動しているのがわかる。

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