kintoneな人 第9回
光ファイバの敷設からkintoneにシフトし、次は海外で対面開発
IoTも得意なジョイゾー山下竜氏、70日間の北米勤務で見たモノとは?
2017年10月30日 09時00分更新
北米の案件の多くはカスタマイズやサービス連携が必要
今年はサイボウズの北米進出にあわせて、70日間に渡ってサンフランシスコに渡った。ジョイゾーの社員でありながら、現地法人のkintone Corporationのメンバーとして現地の案件をこなすというミッション。「昨年末にサイボウズの北米展開の話を聞いて、ほとんど独り言のように『アメリカの状況をきちんと知った方がいいですよね』と言ったら、『山下が米国に行きたがっている』という話になったようです」と山下氏は笑う。
一方で個人としては、サイボウズが掲げる「Go US!」を体感したいという気持ちがあった。「よくメディアで『アメリカにSIerはいない』とか書かれるじゃないですか。でも、それって本当なのかな?と思っているんです。kintoneは北米では生まれたばかりなので、現時点では自社でSIやっていますが、今後パートナーを得ることで、ビジネスが拡がるのか、興味がありました」と山下氏は語る。そのため、kintone Corporationでは日系企業向けのチームではなく、案件が増えていた現地企業向けのチームに一時的に所属し、kintoneの案件を直接手がけたという。
山下氏が見た限り、北米でのkintone案件は、おしなべてカスタマイズが必要なヘビー案件が多いようだ。北米での案件は問い合わせの電話に対してセールスチームがヒアリングを行ない、フィットしそうな案件にはグイグイ提案を進めていくという形。「話を聞いた限り、9割はカスタマイズが必要で、そのうち6割はサービス連携に難を抱えています。内容もけっこうヘビー。これらを1週間に1本ずつこなすには、日本の名だたるkintone使いを連れてこないと難しそうです(笑)」というのが山下氏の感想だ。
もう1つはSI不在論を裏付けるユーザー側のリテラシの高さ。「ヘビーユーザーと電話で押し問答になっている案件があったので、客先に足を運んで、標準でできる部分、カスタマイズが必要な部分を説明にいきました。でも、お客様はものすごくkintoneを理解していて、ユーザーにもっと利用してもらうための機能要件まで説明されたんです」(山下氏)。SIなしでユーザー自身がカスタマイズを入れていることも多く、サポートの負荷も概して高いという。
kintoneのよさを活かせる対面開発を北米でもやってみたい
総じて、日本と同じマーケティングやセールスのやり方を変えていかないと、リソースがない状態でカスタマイズ案件やサポートを抱えることになり、現場が回らないという危険性をはらんでいるのが山下氏の感想。「個人的には地産地消が理想的だと思っているので、現地でうまく回せるエコシステムが必要。AWSやAzureではユーザー自身が構築・運用していて、本当にSIが発生していないのかも含めて、きちんとリサーチすべきというフィードバックはサイボウズさんにもさせていただきました」と山下氏は語る。
一方、北米で試せていないのは、kintoneと相性のいい対面開発だ。「やはり英語の壁が大きいので、現地のメンバーが対面開発ができるようになるのが理想的。これができれば、カスタマイズ案件やサービス連携の割合は相当減らせるはず」と山下氏は語る。
とはいえ、プログラミングなしで業務システムを作れる『Non Code』という流れは北米でも認知され始めつつある。当然、競合も多いが、市場が形成されれば、kintoneの追い風にはなってくる。「kintoneも北米ではパブリッククラウドを利用するので、いろいろな人たちが関わってくることになります。kintoneがグローバルで使われてくるところを見てみたいし、現地企業の方に対して対面開発やってみたいですね」(山下氏)。
(提供:サイボウズ)
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