DC INはセンターマイナス9V!
ところで、裏の電池フタを開けてみると、単3電池6本という仕様だった。時計表示だけなら3年使えるらしいが、こんなに電池が入っているのに、FMラジオの受信は8時間しか持たない。ポータブルなんだから、単4電池2本くらいでなんとかしてよと思わないでもないが、側面のDC端子を見て納得した。
おおっ、これはセンターマイナス9Vではないか!
と驚かれても謎深まるばかりの方に注釈すると「センターマイナス9V」は楽器を演る人が足元に並べているエフェクター、あれに広く使われている電源だ。内径2.1mmのDCプラグの極性と、そこにかかる電圧を意味する。
昔からエフェクターには9Vの006P電池を使うものが多かったが、電圧が下がると音は変わるし交換も面倒。そこで外部電源も使えるよう、DC INが装備されるようになった。
私の記憶が確かなら、最初にBOSSがセンターマイナス9Vを採用し、それをほかのメーカーが追従してこうなったはずだ。もちろんセンタープラスもあるし9V以外もあるが「センターマイナス9V」は、今やエフェクター電源の代名詞のようになっている。
で、この仕様のDC INをラジオにもってくるのは、おそらく楽器メーカーしかやらないだろう。というか楽器メーカーは滅多にラジオなんかやらないわけだが、おかげで我々はラジオとエフェクターでDC9Vを共用できるようになったのだ。こんな風に。
なんとペダルボードにもAM/FMラジオが組み込めるのだ!
「で、それ何に使うの?」と問われても、各自を工夫してくださいと言うしかないが、こうしてまったく問題なく使えるのは事実である。
AUX INでパワードスピーカーに
さて、普通のラジオと違うところがもうひとつ。イヤフォンジャック「PHONES」ともうひとつステレオミニの「AUX IN」がある。外部音声入力端子である。1970年代のラジカセには、マイク端子付きでミキシングできるのがウリの製品もあったが、このAUX INはラインレベルだ。ラジオに外部入力って、一体なんのために?
試した結果をお伝えすると、このAUX INはラジオ音声と排他利用ではなく、入力された信号はラジオ音声とミックスされて同時に鳴る。この際、VOLUMEノブはラジオの音量だけに効くので、ノブを左に回し切ればラジオはミュートされ、AUX INの信号を拡声するだけのパワードスピーカーになる。
さらに驚くべきことがもうひとつ。そのパワーが結構凄い。