レトロな宇宙船っぽい真空容器
JT-60SAの真空容器は、直径約10m、高さ約6.6m。取材時には写真の通り、剥き出しとなっていた。重量は真空容器とポートと支持脚の総計で195トン。いずれもミリ単位での設置精度と溶接精度となっている。
サーマルシールドの反射具合と各所にあるポートの窓っぽさが、レトロデザインの宇宙船のようであり、筆者の初見の感想は「タマネギヘルム」だった。いずれクライオスタット(装置全体を覆う真空容器、魔法瓶のよう)が取り付けられ、その際のサイズは直径約13.4m、高さ約15.5mになる見通しだ。
上記写真を見ると、360度中、20度分が口を開いたままだ。これは18基のトロイダルコイルを容器内に入れるためで、トロイダルコイル格納後に最後の1ピースを取り付ける。では、ポロイダルコイルはというと、すでに3基は底部に取り付け済みとなっており、トロイダルコイルのインストール以降に、上からカポっと取り付けていくとのことだ。
組み立ては20度、30度、40度ごとのピースを接続している。上記のようにサイズが巨大に加えて、重量もあるが、限りなく円形に近づける必要があり、ピースごとのサイズ誤差は±5mm、設置精度は±4mm、溶接については±1mmとのことだ。とくに溶接については熱により伸縮するため、よくわからない次元なのだが、職人さんががんばっていたそうだ。