8月7日、クラウド型名刺管理サービスを手がけるSansanは事業戦略説明会を開催。総額約42億円の資金調達の実施や社名表記やロゴ刷新などを発表するとともに、法人向け名刺管理サービス「Sansan」の価値を改めて訴求した。
10年前からデジタルトランスフォーメーションを進めてきた
2007年創業のSansanは「名刺を企業の資産に変える」をコンセプトにしたクラウド型の法人向け名刺管理サービス「Sansan」を提供しており、導入企業は2017年1月時点で5500社を突破している。また、2012年からは個人向けの名刺アプリ「Eight」を開始。今年の2月のリニューアルでユーザー同士で情報交換を行なう「フィード」やチャットを実現する「メッセージ」、経歴やスキルを伝える「プロフィール」などビジネスSNSの機能が追加され、2017年の時点でユーザーは180万ユーザーを突破しているという。
説明会ではSansan取締役 共同創業者 Sansan事業部長 富岡圭氏と、デジタルトランスフォーメーション室長の芳賀諭史氏が登壇し、法人向けのSansanの価値について説明した。
芳賀氏は名刺には企業や担当者などの顧客情報のみならず、人脈につながる接点、所有者の強み・ナレッジなどポテンシャルの高い情報が詰まっていると指摘。こうした名刺のデジタル化こそ、まさに欧米企業でもてはやされている「デジタルトランスフォーメーション」であると説明し、10年前からこうしたデジタル化の価値を追求してきたことをアピールした。
その上で、Sansanの価値として、組織内で人脈を活用することによる「営業チャンスの拡大」、さまざまなサービスとの連携による「社員の生産性向上」、コラボレーションを促進する「組織のコミュニケーションの進化」の3つを挙げた。そして最近の傾向として、部署内での利用に加え、全社利用の事例が増えてきたことをアピールした。今後は大手での全社採用のほか、地方での中小企業での利用も推進していくという。
「世界を変える出会いを後押ししたい」の想い
説明会が行なわれた同日、同社は未来創生ファンド、DCM Ventures、Salesforce Venturesから過去最大となる総額約42億円の資金調達を実施したことを発表した。調達資金は、Eightの国内・アジアでのマーケティング活動に投じ、名刺文化の強いアジアNo.1のビジネスプラットフォームを目指す。シンガポール拠点を中心にアジア展開を進め、「2年後、海外で500社を目指したい」(富岡氏)という。
さらに創業10年目を迎え、コーポレートおよびプロダクトロゴを変更。人を象徴する「~さん」同士の出会いを表す2つの「san」と、「世界を変える出会いを後押ししたい」(富岡氏)という想いを込めた赤いラインを組み合わせたという。社名表記も頭文字が大文字のSansanから、すべて小文字のsansanに変更され、8月8日から利用を開始する。