もうすっかり、PCやスマホ、SNSなどがないと仕事やプライベートがスムーズにいかない時代になってきました。このコラムでも以前取り上げたように、歯を磨くにしても「超音波歯ブラシ」や「エアフロス」などの最新グッズを愛用しています。
ところが、デジタルな最新グッズだけでは人生を快適に過ごせません。たとえば、少なくなったチューブ入りの歯磨き粉をしぼり出すのに苦労する…。そんなアンバランスな人生を送っているのは筆者だけではないはず…。
「チューブの残りが出しにくい!」と不満を持つ人は世界中に存在しているようで、海外ではこんなグッズが作られています。このチューブ絞り機「TUBE WRINGER」は米国製のせいか、少し大きなサイズ。
「大は小をかねる」の格言のとおり、歯磨き粉だけでなくハンドクリームから業務用接着剤まで、どんなサイズのチューブにも利用できます。一度使えば、チューブの尻尾部分が圧着されるので、チューブに付けっぱなしする必要がないところも便利です。
というわけで、今回は「デジタル時代だからこそ!アナログのアドバンテージ」をテーマに、「TUBE WRINGER」を含め、筆者が愛用中のアナロググッズのベスト5を紹介していきます。
コンビニ袋がスタイリッシュに留められるゴミ箱
「スーパーノーマル」とさえ言えるこのゴミ箱。東京の江東区で大正時代創業の工場で現在も作られています。そういえば、小学校頃、教室で見かけていたようなノスタルジックなデザインです。昔の形とほぼ変わらないまま、コンビニなどのビニール袋が内側に止められるようになった最新バージョンでもあります。
じつは、リビングルームのソファーの横に置くゴミ箱をもう何年も探していましたが、やっと見つけた逸品です。外国製のゴミ箱も含めいろいろと探しましたが、好みと機能がぴったりの製品が江東区で造られていたとは、これこそ「灯台下暗し」。
使わないときは存在を忘れるほど、空間に溶け込んでしまうのも「スーパーノーマル」とも呼べるアナロググッズかと…。
どこでも便利なマグネットバー
外国のキッチンなどで見かける、本来は包丁を壁にとめるためのマグネットバー。キッチンはもちろんのこと、仕事場や洗面所でも便利です。たとえば、先端の鋭いハサミなどは引き出しに入れておくと、うっかりと指先を刺してしまうことがあります。また、引き出し内にこもった湿気などで錆びてしまう場合も…。
そんなツール類は、壁面にマグネットバーでとめておけば、安全な上に水気も切れすぐに使えます。ステンレスやスチール以外モノなら、市販されている「粘着付きスチールシート」をツールに貼り付けるだけでマグネットに吸着。
オリジナルのチタン合金製のトレッキングポール
PCの前に座ってばかりでは健康に悪いので、最近は山歩きを始めました。自宅のすぐそばにハイキングコースがあることを先日知り、気が向いたら出かけています。
ところが、自然が豊かなのはありがたいのですが、マムシがたまに出没するそう。そういえば山ですれ違う人は杖みたいな棒を持ってます。なにも足が悪いから持っているわけでなく、足場が悪い場所での転倒防止や蛇よけなのだそう。
そんなわけで、山歩き初心者の筆者は、スポーツ用品店でいろいろと探しましたが、自分の好みにあうトレッキングポールがありません。筆者の身長が182センチあるせいもありますが…。
というわけでググってみたら、杖を自分で作っている人もいるみたい。そんなわけで、ネットでチタン合金のパイプとポールの持ち手や石突(先端部分)を購入して製作しました。
チタン合金は錆びにくい上に、ステンレスと同じ強度なら重さを1/6にできるので、とても軽く気に入ってます。チタン合金は値段は張りますが、自分で製作すれば、有名ブランドのトレッキングポールとほぼ同価格でオリジナルが製作できるのが魅力です。
お菓子とか、キャットフードの袋をとめるクリップ
袋クリップのポイントは十分な数を購入しておくこと。筆者はスエーデン発祥の家具量販店、IKEAで30個入りを249円(消費税別)で購入しました。このクリップ、お菓子からキャットフードの袋、猫のトイレ掃除用のゴミ袋(食用のクリップとは共有していません。笑)まで、いろいろなところで使用しています。ある程度は密封できるため、湿気や匂いもシャットアウトしますし、簡単に留められるので大変便利。カラフルなので、白はゴミ袋専用、黄色はペットフード、オレンジはキッチン、お菓子用などと識別できるのもありがたいところ。
以上、勝手に選んだ「デジタル時代だからこそ!アナログのアドバンテージ」のベスト5、いかがでしたでしょうか。デジタル時代にはコモディティ化してしまいがちなアナロググッズですが、一度使ってみるともう手放せなくなってしまうのは筆者だけではないはずです。
デジタルの語源となったラテン語の「digitus」の意味は「指」のこと。僕の職業であるマジシャンも古くは「prestidigitator(指先の動きが速い者)」と呼ばれていました。マジックの仕掛けのほとんどはアナログですから、デジタルもアナログもその根っこでは同じだと、筆者は勝手に想像しています。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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