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前田知洋の“マジックとスペックのある人生”第40回

なぜいまさらチェキなのか?インスタントカメラのスペックとは

2017年03月28日 17時00分更新

文● 前田知洋

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スマホカメラの弱点

 「もう、すっかりデジカメが普及している社会…」と信じておりました。しかし、最近は友人知人数十人でパーティーなどを開き、「最後に記念撮影を…」となっても、誰もカメラを持っていない。当然、スマホのカメラで撮影するわけです。しかし、レンズ径が小さく、フラッシュの弱いスマホのカメラは、暗い室内での集合写真集合は上手く撮れないんですよね。

 そんなわけで、筆者はパーティーのたびに、愛用のコンパクト一眼を持って行ったりしています。それでも、デジカメのデメリットは、後日メールで送ったり、SNSのタイムラインやメッセージで共有しなくてはならないこと。これ、相手がダウンロードしてくれることもセットなので、完了率は高くありません。もちろん、集合写真を自分用にコレクションしてるなら別ですが…。

撮るだけでギフトになるインスタント写真

 筆者は超ミニ版のインスタントカメラ、i-Zone(ポラロイド社製)を愛用していました(海外ではi-Zone、国内では旧Xiaoの商品名でトミーから発売。後にプリター付きカメラにXiaoが生まれ変わったので紛らわしいですが…)。

 i-Zoneで撮影した写真はプリクラサイズ。なので、集合写真は無理ですが、ひとりずつ撮影してプレゼントとしてあげられます。出来上がった写真が糊付きでシールになっているのもキュートです。

 コストは1枚あたり、数十円。インスタントカメラ特有の眼の前で画像が浮かび上がってくる不思議さのせいか、インスタント特有の美男美女に写るせいか、プレゼントするとかなり感激してくれるんですよね。

 しかし、米ポラロイド社は2008年に経営破綻。後に出資者が現れて再生しましたが、残念がならi-Zone用のミニサイズのポラロイドフィルムは現在は製造されておりません。たまにe bayなんかを見ると「使用期限2000年まで」のフィルムが出品されたりしますが、怖くて買ってません(インスタントカメラは化学反応で現像するので、おそらくダメになっていそう…)。

再燃しているチェキ人気、筆者も再燃

 一方で、富士フィルムで人気なのがチェキ(instax)シリーズのインスタントカメラ。日経新聞によると、富士フィルムが発売するチェキシリーズは2015年には500万台を超え、2016年には650万台に工場が増産するなど人気らしいです。

 さらに昨年の9月には、ドイツの高級カメラメーカー、ライカも同じinstax miniのフィルムを使ったインスタントカメラ事業に参戦。

 「これならフィルムの生産事情も安心」というわけで、さっくりと筆者もチェキに参戦するのも自然な流れなわけです。

向いているのは、人物、自分のコレクションなど

 instax miniのフィルムカートリッジはアマゾンでは20枚で1208円。10枚入ったカートリッジが2個ですから、一枚あたり60円ほど。高くはありませんが、デジカメのようにバシャバシャと撮るわけにはいきません。でも、あえて、その時間と慎重さが贅沢ともいえるかも。

instax miniは名刺サイズのインスタント写真。人物モデルがいなかったので猫でゴメン

 いろいろと撮影してみましたが、インスタントカメラに向いているのは、人物(1~3人くらい)、趣味のコレクションなど。

 その理由は、カメラから排出される印画紙は名刺サイズ(写真部分は4.5センチ×6.2センチ)のせい。なので、料理などは向きません。これはサイズの問題もありますが、色合いがインスタント独特の淡い色合いのせいもあるかもしれません。

その場で余白に文字が書けるのもインスタント写真の便利さ

インスタントカメラの注意点

 インスタントカメラは、普通のカメラでは表現されにくいボケやブレ、色合いがアートな雰囲気に撮影されます。

 ただし、クロースアップショットだと、ファインダーとレンズの距離が離れているため、撮影時に覗いたフレームと写真の仕上がりのアングルが若干違う。

 気温や室温が低いときは、写真のコントラストがはっきりするまで少し時間がかかります。化学反応なので、温めると現像が早めに…。筆者はファンヒーターの温風を適度に当てましたが、加熱しすぎもよくないので注意しながら自己責任で。

 写真の中に現像液がはいっているので、リサイズするために切断したりする場合は、1ヶ月ほど涼しく風通しの場所で乾かしてから。そうすると現像液が漏れず、写真がダメになりません。

マジックみたいな不思議な構造

カメラには印画紙(兼ネガ)の入ったカートリッジを印を合わせて入れるだけ

 撮影していると奇妙なことに気がつきました。それは撮影後、写真面が手前側にカメラから排出されること。これは、カメラ内で印画紙の裏面に像を照射して撮影していることになります。おそらく、インスタント写真特有の黒い裏面はネガに相当しているのでしょう。ちょっとマジックみたいな不思議な構造です。

多くのユーザーは気にならないと思いますが、手前に写真面が排出されます

 デジタルカメラやスマホでの撮影とは全く異なるインスタントカメラ。こんな時代だからこそ、ゆっくりと画像が浮かび上がるロマンチックさやノスタルジックさが際立ちます。友人や家族、知人などとその体験を共有してみてはいかがでしょうか。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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