Jabraの「Elite Sport」は、心拍センサーを内蔵したトゥルーワイヤレスイヤフォンという変わり種。しかし、スポーツモデルとして機能的に充実しているだけでなく、再生音のバランスの良さも大きな魅力だ。
価格はe☆イヤホンで3万2800円。それなりに高価な製品だが、1ヵ月ほど使ってみて、それに見合うだけの価値は十分にあると感じた。今回はまずElite Sportの機能と音質についてご報告したいと思う。
沈めてOKの防水性能(一定条件下なら)
Jabraはデンマークに本拠を置くGN Store Nordグループのブランド。GN Store Nordは、世界初の海底ケーブルを敷設し、日本にも明治維新の3年後に電信線を開通させたかつての大北電信会社(The Great Northern Telegraph Company)だ。現在は傘下に補聴器メーカーのReSoundも擁し、Bluetoothヘッドセットやイヤフォン、補聴器といった音響通信機器を中心に開発している。
Elite Sportは、同ブランドとして初のトゥルーワイヤレスイヤフォンでありながら、さすがに老舗だけあってBluetooth周りの使い勝手や、通話用のマイクを4つ内蔵して通話品質を確保するなど、ヘッドセットとしての機能にも手抜かりがない。
イヤフォン本体は保護等級IP67準拠の防塵・防水性能を持つ。粉塵が内部に侵入しない耐塵形で、かつ一時的に一定の水深に沈めても内部に浸水しない防浸形。具体的には、30分までなら水深1mまで潜水しても大丈夫。通常の利用なら耐水性能が問題になることはないだろう。メーカーでは3年間の耐汗性保証を付けて売っている。
質感の高い充電ケースと本体
イヤフォン本体、付属の充電ケースともにマット仕上げで、樹脂製ながら質感は高い。特に充電ケースは、手にした感触、フタの開閉トルクの設定なども含め、安っぽさを感じさせない。
同種のイヤフォンでは、充電ケースと本体を磁石で吸着させるものがよく見られるが、この製品には本体とケースを固定させる仕掛けがない。そのためケースのフタを開く場合は、かならず水平にして開けないと、本体がこぼれ落ちる。そこは気を付けたい。
フルチャージしたイヤフォンの連続再生時間は最高3時間。充電ケースには、このイヤフォンを2回充電するだけのバッテリーを内蔵している。
左右のイヤフォンは形状的にも機能的にも別々のもので、区別もつきやすい。右ユニットはスマートフォンと直接接続するプライマリ側で、ボタンは“◯”と“●”。左ユニットは“+”と“-”というように、側面の操作ボタンも別個の機能が振り分けてある。
電源のオンオフはイヤフォン本体のボタンでも操作できるが、充電ケースのフタを開けてイヤフォンを取り出すと電源が入る仕組み。右ユニットとスマートフォンのペアリングを済ませておけば、ケースから右ユニットを取り出しただけでスマートフォンと接続する。左ユニットも取り出すとステレオペアが成立する。