このページの本文へ

山根博士の海外モバイル通信 第340回

iPhone 7だけじゃない! 真っ赤なスマホは中国で探せ

2017年05月23日 19時30分更新

文● 山根康宏 編集●ゆうこば

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 今年3月に発表されるや、その大胆な色合いから大きな話題となったiPhone 7 (PRODUCT)RED。ここまで真っ赤なスマートフォンは他社を探してもそう見つかるものではありません。

 でも、赤い色と言えば中国。すでにお隣の国ではiPhone 7 (PRODUCT)REDに負けない真っ赤なスマートフォンがいくつか出ています。

真っ赤なスマートフォンを探してみよう

自撮り文化で躍進するMeituに
中国の定番的存在シャオミ、OPPO

 毎週のようにスマートフォン新製品が登場する中国。2017年5月9日にはセルフィー機能に特化したスマートフォンメーカー、メイトゥ(Meitu、美図)から「M8」が発表されました。

 10〜20台をターゲットにした個性的な色合いの製品が揃っており、4色のカラバリの中には光沢仕上げの赤も用意されています。iPhoneの落ち着いた色合いとは異なるこの赤色は、発表と同時に早くも話題になっています。

4色のカラバリのM8。シャイニーな赤が目立つ

 さて、中国のスマートフォンと聞いてすぐに思い浮かぶのがシャオミ。そのシャオミの低価格モデル「RedMi」(紅米)シリーズも、当初は赤いモデルがありました。最近は白や黒、あるいはパステルカラーや金属ボディーなどカラバリが増えたものの、「赤い米」というからには赤のボディーも復活してほしいもの。

RedMiシリーズは初期は赤があった。復活を期待したい

 躍進著しいオッポ(OPPO)からは、フラグシップモデル「R9s」の真っ赤なバージョン「OPPO R9s Special Red Edition」が限定販売されたのが記憶に新しいところ。

 R9sはリア・フロントカメラが1600万画素のセルフィースマートフォンとしても有名。台湾やシンガポールなど、アジア各国でも販売されています。赤のモデルは芸能人とコラボしたり、新年向けスペシャル版として限定販売されました。

OPPO「R9s」のレッドバージョンはアイコンなども赤を使う

 ちなみに、限定販売後も再販希望の声が大きかったのか、「Valentine Red Edition」としても登場したようです。スマートフォンに赤いカバーをかければ華やかな色になるものの、単体で真っ赤なボディーの方が見た目も美しいですね。

iPhoneよりも先に中国で話題となった真っ赤なスマートフォンだった

中国ならではの「似ている」製品にも赤色はある

 お次はメイズ(Meizu、魅族)。2016年に登場したハイエンドモデル「Pro 6」にもレッドが登場しました。ピンクと同時に投入と言うことで、新たに女性ユーザーを意識したもの。

 Pro 6のスペックはHelio 25 デカコア2.5GHzにメモリ4GB、ストレージ32GBまたは64GB。カメラはリア1600万画素という構成。

 しかし、microSDカードには対応せず、女性向けを考えながらフロントカメラ画質は500万画素。登場時の価格もスペックに対してやや高めで(2499元、約4万600円)中国国内のみの販売だけであったことから、いまではやや探しにくい製品かも。

メイズ「Pro 6」はピンクとレッドが登場。この赤もかなりいい色

 ここから先は、ちょっとマイナーな製品から。まずはいきなりiPhone 7みたいな製品です。DIMの「7s」は、そのまんまなデザインにそのまんまな色の端末です。

 でも、本家はDラインが同色でまとめているのに対し、こちらはあえて黒として目立つデザインに。どことなく力強さを感じさせてくれます。

DIMの7sは、そのまんまなデザイン

 MT6737(オクタコア)プロセッサにメモリー1GB、ストレージ16GBと、正直なところ非力。カメラは背面800万画素+正面500万画素。5.5型HD解像度(720x1280ドット)ディスプレーと見た目とは違って完全なエントリー機ですね。価格は488元(約7900円)と価格相応なモデルでしょう。見た目だけで目立ちたい人向けでもありますね。

見た目はいいのに中身は低スペック。ボディーもおそらく樹脂製

 そして、こちらはDAJの「Xplay6」。この製品名を見てピンと来る人は中国通。なぜなら中国でいま、OPPOと並んでイケイケなビボ(VIVO)のスマートフォンの製品名「Xplay」シリーズをそのまま使っちゃっているからです。

 マイナーメーカーが「なんとか7」のように、iPhoneを真似することはありますが、DAJはビボの製品と同じ名前を付けちゃっているわけ。ビボもコピーされるほど有名メーカーになったんですよ。

DAJのXplay6は、ビボと同じ製品名をつけている

 ちなみに、こちらがビボの本物の「Xplay6」。エッジディスプレーにSnapdragon 820、メモリー6GBに、ストレージ128GBの超ハイスペック製品。デザインも全く違います。DAJはとりあえず話題の製品の見た目を真似して、ばっちり目立つ赤い色の端末を出したってことなのでしょう。

 でも、DAJのXplay6は、背面カメラは1600万画素のデュアル、正面カメラも800万画素のデュアルとカメラに関してはかなり恐ろしい仕上げをしています。

こちらが本家の「Xplay6」。正真正銘のハイスペック機

 このDAJはもうひとつ真っ赤なスマートフォン「R9s」を出していました。あれ、この製品名は最初に紹介したOPPOとそっくりですよね。しかも、背面も正面もデュアルカメラ。DAJはデュアル+デュアルがよほど好きなんでしょう。

「青春版」はLite版の意味。DAJはOPPOの真似までしている

 DAJのR9sはさすがにただの真似では芸が無いと思ったのか、カラバリが豊富で全部で6色展開されています。緑や青など赤以外のカラバリもいい感じですね。

 とはいえ、マイナーメーカーの製品なので、品質はあんまり期待できそうにありません。まあ、品質はさておき、いろいろな色のスマートフォンが出てくるのは楽しいもの。白と黒と金色ばかりでは面白くありませんから、今後もぜひ各社からいろいろな色の端末が出てきてほしいものです。

DAJのR9sはカラーバリエーションの数で差別化を狙う

山根康宏さんのオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰〜山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰〜山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

→ASCII倶楽部の詳細はこちらから!

カテゴリートップへ

この連載の記事

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ