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「中堅中小企業」と製造/小売などの「現場システム」の2領域を狙った新戦略を発表

NECがSDN事業のターゲット領域を拡大、中小向けSDN製品も投入へ

2017年02月10日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NECは2月9日、新たなSDN製品およびマネージドWANサービスを含む、法人向けSDN戦略の強化を発表した。中堅中小企業でも導入しやすいSDN製品/サービスの追加と、今後IoT活用が進む工場やプラント、店舗などの「現場」向けソリューションの拡充により、SDNのターゲット市場を拡大していく。

今回のSDN戦略強化の概要。大きく2つの施策で、中堅中小企業や製造/小売などの「現場」へのSDN適用を拡大していく

NEC スマートネットワーク事業部長の北風二郎氏

2つのターゲット領域を追加し、好調なSDNビジネスをさらに加速へ

 NECでは、2011年のOpenFlow/プログラマブルフロー対応のネットワーク製品「UNIVERGE PFシリーズ」発売を皮切りに、サードパーティとの協業も含め、LAN、WAN、無線LAN、さらにセキュリティを対象とした法人向けのSDNソリューションを拡充してきた。

 NEC スマートネットワーク事業部長の北風二郎氏は、近年ではSDN普及のスピードが飛躍的に速まっており、特に2014年以後は「一気に加速した」と説明する。ネットワークの運用を簡素化したいというニーズ、セキュリティ製品と連携してインシデントの初期対応を自動化したいというニーズの2つがその背景にあるという。NECのSDNは国内外ですでに600システム以上の導入実績があり、今年度末の法人向けSDN関連売上は前年比160%成長の「200億円を超えるくらい」(北風氏)を見込んでいる。

 「現在では、新規ネットワーク提案の7割から8割で『SDN』がキーワードになっており、売上高では(ネットワーク案件全体の)2割程度がSDN案件。控え目に見ても、2018年度には半数以上がSDNになると考えている」(北風氏)

 この勢いを維持しつつ、NECが次に狙うのが「中堅中小企業」と「現場」領域へのSDN展開だ。北風氏は、これまでのSDNソリューションは「ある程度規模が大きく、複雑なネットワークをオンプレミスで運用する顧客」向けのものだったが、「導入をより容易にすること」と「現場での利用価値を創ること」の2つで、新たなターゲット顧客を開拓する戦略だと説明する。

NECのSDNビジネスが従来ターゲットとしてきた領域(左下)と、新たなターゲット領域(右、上)

SDN導入を容易に、新マネージドサービスや安価なSDN製品を投入

 このSDNビジネス戦略を実現するための具体策として、今回は4つの施策が発表されている。

 まず、SDNの導入を容易にするため、マネージドネットワークサービスの強化を順次実施していく。その第一弾として、今年3月末より、既存のマネージドWANサービスにSDN運用支援メニューを追加した「新マネージドWANサービス」を提供していく。

 具体的には、従来のWAN回線/機器提供からネットワーク監視/保守までのサービスに加え、新たにSDN技術を活用した「拠点移設対応」「経路変更」などの管理サービスを提供する。さらにオプション(アドオンサービス)として、「トラフィック可視化」「ネットワーク分析」のSaaSもメニュー化している。

SDNを取り入れた「新マネージドWANサービス」の提供イメージ

 また、中堅中小企業やブランチオフィスのLANでも導入しやすいよう、安価なSDN製品をラインアップし、最小構成価格を「約10分の1」に低減する。具体的には、税抜標準価格5万円からの安価なSDNコントローラー「UNIVERGE SDN Controller Lite」を2月末に発売するほか、「UNIVERGE QX」シリーズのインテリジェントL2エッジスイッチ製品を1年以内にすべてSDN対応させる。

 なおSDN Controller Liteでは、低価格化を図るため、従来のUNIVERGE PFシリーズが備えていたVLAN/仮想ネットワーク制御機能が省略されている。ユースケースとしては、パロアルトネットワークス、ファイア・アイなどのゲートウェイセキュリティ製品との連携によるマルウェア感染端末のネットワーク遮断や、VoIP端末接続時の音声品質(QoS)制御などが考えられている。

安価なSDNコントローラー/SDN対応スイッチをラインアップし、最小構成価格を大幅に引き下げる

 中堅中小企業市場にリーチするため、販売パートナーへのサポートも強化する。具体的には「NEC SDNサポートセンター」を新設し、技術情報のWeb公開、SDN教育の実施、技術支援センターの提供のほか、NECによるシステム設計レビュー、提案や構築の支援、また業種ごとのSDNテンプレート提供なども行うとしている。

 北風氏は、QXシリーズは中堅中小市場で年間数千台規模で増えており、そのうちの1割がSDN案件になるとすると「年間数百システム以上の導入になるのでは」と述べ、案件数の伸びがさらに加速していくことへの期待を示した。

「現場に強いベンダー」にSDNノウハウを提供、共に価値を作り出す

 最後に、製造業や小売業などの「現場」向けSDN施策として「現場システムに強みを持つパートナーとの連携」を挙げている。具体的には、工場やプラント、ビル、店舗、船舶などのインフラシステム設計/構築を手がけるインテグレーターやメーカーに対し、NECがSDNに関する製品やサービス、技術、ノウハウを提供し、「つながる工場」や「スマート店舗」といったソリューションを実現していく。

「現場システム」にNECのSDN技術を組み込んだソリューションを開発、提供していく

 北風氏は、この領域では「現場に強いベンダー」がネットワークも含めたシステム一式を提供することでビジネス価値を高めようとしており、NECとしても「システムの利用価値を一緒に作っていく」姿勢で取り組みたいと語った。

 「SDNビジネスを始めた当初は、工場などの顧客にSDNを勧めても反応は鈍かった。だが一昨年、昨年あたりから、IoTというキーワードで様相が大きく変わった。IoTでSDNの価値が発揮されることに、顧客自身が気づき始めたからだ」(北風氏)

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