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伝説の電子楽器がNAMMショーで復活、作りこみがやばい!

2017年02月04日 12時00分更新

文● 四本淑三

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音波によるワイヤレス転送が斬新な「PO32」

製品サイトより

 永遠の悪ガキ集団ティーンエイジ・エンジニアリングが放つ、ポケットオペレーターシリーズの最新型「PO32」。単4電池2本で動く基板むき出しの電卓っぽいアレです。今回は16音プリセットのドラムシンセサイザーで、いつも通りカタカナで付けられたペットネームは「トニック」。

 トニックってなんだという話ですが、これは連携するsonic charge社のVST/AUソフト「MICROTONIC」を指すのでしょう。いつものようにシリーズ機器同士で同期演奏できるのは同じですが、今回新しいのは、このソフトで作った音色データをワイヤレスで受信できることです。と言ってもBluetoothのようなものではなく、可聴帯域の音波でデータを飛ばすのですが。

 その様子が超カッコいいのでご覧ください。

 パソコンのスピーカーから出た音を、PO32の内蔵マイクで受けて転送成立。音色データにサンプリング音源を含まないので、転送するデータ量も少ない。だからこんなことも可能なのでしょう。PO32同士でも、内蔵マイクとスピーカーを使って、同じように音色やパターンデータ交換もできます。ライブ会場でやったらノイズでエラーになるそうですが、そんなときのためにオーディオケーブルも使える仕様なので万全です。

 「the new gold standard」ということで、金と黒の六本木駅ライクなカラーで価格は89ドル。公式ストア限定MICROTONICのバンドル版が139ドル。発売は2017年4月ということです。

Denkitribe先生も開発に参加する「OP-Z」

製品サイトより

 もうひとつティーンエイジ・エンジニアリングは、前回に引き続き音源内蔵AVシーケンサーの「OP-Z」を出品しています。まず今回は発売時期が2017年9月であると発表されました。またワイヤレスと言われていた映像出力については、Bluetoothで接続したiOS機器からレイテンシーなく出力できる「dual domain synthesis」という仕組みを用意していることが明らかにされています。

 前回はデモグラフィックで参加していたUnityエバンジェリストの高橋 啓治郎さんも、引き続き参加しています。前回は大っぴらに言って良いのか微妙な感じだったのですが、今回はウェブにも"keijiro-san"としてフィーチャーされているので大々的に言っていきましょう。

 ご存じの方も大勢いらっしゃると思いますが、彼はプレステのゲーム開発をやっていた元SCEのプログラマで、「Denkitrbe」名義でYouTubeに上げた演奏動画が人気となり、製造中止になりかけていたElectribeを復活させた伝説の人でもあります。つまりミュージシャンでグラフィッカーでプログラマ。OP-ZはiOS端末と連動して動くUnity 3Dのグラフィックマシンでもあるので、ソフトウェア回りも込みで開発に参画されているものと思われます。ティーンエイジ・エンジニアリングもいい人見つけてきましたねえ。

 OP-Zは各々が独立して走る16トラックのシーケンサーで、ステップコンポーネントと呼ばれる16ステップのデータに、アルゴリズミックなエフェクトを加えながらリアルタイムに演奏できるもの。映像も同様に写真やUnity 3Dの素材をステップシーケンスできるとのことですが、いずれも詳細はまだわかっていません。発売を楽しみにしつつ、"keijiro-san"の動画紹介Tweetを貼っておきましょう。

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