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JAWS-UG東北勉強会レポート 第7回

熱戦となった「青森観光アプリ開発コンテスト アマゾン×青森屋」レポート前編

ギーク達がリゾート地で火花を散らす青森観光アプリ開発コンテスト

2017年01月19日 07時00分更新

文● 重森大

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いよいよ本気を見せ始める2日目、歩き回る人、手を動かす人

 2日目の朝は、和洋食バイキング。和食にはもちろん、郷土料理がいくつも並んでいた。朝風呂派の筆者はこの後、温泉へ。風呂には青森屋自慢の浮き湯という湯船があった。池の中に湯船があり、水面を吹く風を感じながら、開放感あふれる中でお湯に浸かるのは他の露天風呂とは一風変わった体験だった。11月の寒風に撫でられながら、心地よい温泉をのんびり楽しむことができた。

 一通り楽しんでやや手持ち無沙汰感を感じ始めた筆者とは裏腹に、ハッカソン参加者たちはピリピリし始めていた。夜には中間発表、翌日の夕方には最終発表だ。アプリチームは、実際に動作するアプリを見せなければならないので、コーディングの時間を考慮したら2日目の早い時間に企画や構成を決めてしまわなければならない。AWSになじんでいないチームは、AWSハンズオンに参加して使い方を学ぶ時間も取られてしまう。PCに向かう参加者の目が、時間を追うごとに真剣味を増していった。

外付けモニタを持ち込む強者チームもあった

 膝を詰め、PCを挟んで真剣に議論する各チームのテーブルをメンターが周り、相談に乗ったり助言を与えたりする。メンタリングに協力しているのはアイディアソンを上手に牽引するエイチタスの原 亮さん、観光のプロフェッショナルであるイーリゾートの剱持 勝さんだ。ふたりの助言を得ながら、各チームのアイデアは次第にカタチを整えていった。

JAWS-UGメンバーが参加するチームも、原さんのメンタリングで企画をブラッシュアップ!

 途中、地元JAWS-UG青森のメンバーから差し入れがあった。三沢市には米軍基地があり、アメリカンな物品を取り扱う店も多い。そうした特色を前面に押し出した差し入れは、サイズも色合いもアメリカン。マシュマロなんて、1個のサイズがおにぎりくらいある。見て盛り上がる参加者は多かったが、見たことも聞いたこともない缶ジュース類にはなかなか手が出なかった。それはそうだろう。ドクターペッパーが一番まともに見えるラインナップなんて、そうそうお目にかかれるものではない。

JAWS-UG青森メンバーからのアメリカーンな差し入れ

 アプリ制作までは行なわない企画チーム群も、企画の種を花開かせようと必死だ。新たなアイデアを求めて、あるいは思いついたネタの裏付けを求めて歩き回るチームもあれば、テーブルに集まりブラッシュアップを重ねるチームもあった。

各チームから助言をもらう中間発表を経て、カタチにする作業へ

 2日目の夕方には、中間発表会が開催された。各チームからひとり発表者が選ばれ、各チームのテーブルを回って自分たちのアイデアを説明する。全チームが順番に前で発表するのと合計所要時間は変わらないが、数人を相手に説明するので質問やアドバイスが出やすい面白い形式だ。この段階で繰り返し自分たちのアイデアを説明し、いろいろな人から指摘やアドバイスをもらうことでより明確になったことだろう。実際、この中間発表から翌日の最終発表までにぐっと企画の鋭さを増したチームや、方向修正をかけたチームがいくつか見受けられた。いずれも、いい方向に舵を切っていたので、中間発表があることでハッカソンの生産性が上がるのは間違いなさそうだ。

チーム代表者が各テーブルを回って自チームの企画を説明する中間発表

 中間発表のあとは、希望者によるLT大会。立ち上がったのはチーム秋田の茂木 聡さんと、チーム未定の澤田 洋二さん。チーム未定はJAWS-UGメンバーが参加しているチームで、澤田さんもJAWS-UG青森のメンバーだ。茂木さんはKira2Display(キラキラディスプレイ)というスマートフォンアプリの紹介、澤田さんはシンガポールのイベントに参加して学んだことを発表してくれた。興味深かったのは、茂木さんが紹介してくれたKira2Displayというアプリ。アプリを入れたスマートフォンを遠隔コントロールで好きな色に光らせることができるもので、イベント会場などで使えば参加者全員でカラーウェーブを作ったり、座席に大きな絵を描くことも可能だ。実機を持ち込んでのデモも行なわれ、みな興味津々で試用していた。

JAWS-UG青森の澤田さんはシンガポールのAWSイベント参加体験を聞かせてくれた

茂木 聡さんは、Kira2Display(キラキラディスプレイ)を紹介

会場にはKira2Displayの実機も持ち込まれ、デモンストレーションが行なわれた

 中間発表で改善点のアイディアを得たギークたちはバイキング形式の夕食もそこそこに、開発やアイデアのブラッシュアップに取り掛かった。明日の昼過ぎまでには発表できるカタチに仕上げなければならない。また最終発表では、各チームともにスキット(小芝居)を交えてアイデアを披露することになっている。そのために、売店で小道具の仕入れに余念のないチームもあったようだ。

夕食後も会場で戦い続ける参加者達

追い込みと言えば、レッドブル! 多くの差し入れがありました

 筆者はといえば、徹夜につきあっても邪魔しかできないので、会場からは早々に退散。じゃわめぐ広場でスコップ三味線のショーを堪能し、部屋に戻ってたっぷり寝たのであった。次回後編では、いよいよ最終発表の様子と選考結果についてお伝えする。

青森屋のスコップ三味線チームは世界大会優勝記録を持つ! ぜひ体感すべし!

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