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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第384回

業界に痕跡を残して消えたメーカー 買収先が行方不明になったチップセット会社Corollary

2016年11月28日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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Corollaryを買収した同名の会社が
2つある不思議な事態に

 Profusionチップセットが正式に発表されたのは1996年8月のことで、同年11月にはインテルと日立、Samsung Electronicsがライセンス供給の契約を結んだことと、日立及びSamsung Electronicsがこれを利用したシステムをリリースすることを明らかにしている。

 これに続きData GeneralやCompaq ComputerもCorollaryと契約を結ぶが、このCompaqとの契約に先立つ1997年9月30日に、Corollaryはインテルに買収された

 この時点ではまだCorollaryは株式非上場ということもあり、買収金額などは明らかにされていない。また買収時には、Corollaryはインテルの子会社として会社組織が存続し、CEOには引き続きWhite氏が就くという発表であった。

 ではその後どうなったか? 少なくとも1998年1月の時点では、まだCorollaryのページは存続した。

ややレイアウトが変わったが、基本的な中身は以前と変わらず

 ところが同年3月にCentral Data CorporationがほぼCorollaryの資産全部を買収したことを発表している。

これは1998年12月3日のアーカイブで、しばらくこの状態が続いた

 インテルはこれに関してなにも発表しておらず、またCentral Data Corporationも現状がわからなくなっている。同名の会社は2つあり、1つはデータ処理ソフトを開発する会社だが、同社のページはすでにアクセス不能である。

 もう1つはUSBなどのデバイスを製造する会社で、こちらは1998年6月にDigi Internationalに買収されてすでに存続していない。おそらくこれらとは別のCentral Data Corporationがあったと思われるのだが、もはや行方不明である。

 そしてインテルは早々に同社の資産を売り払ったことで、多くの8Pシステムを構築するOEMベンダーのはしごを外してしまった形になる。

 なぜこんなことを、というのはまったくわからないのだが、White氏はこの売却とほぼ同タイミングで辞任し、現在は特許保護サービスを提供するG.White Patentsを運営している。一方Slipson氏はすでに引退し、現在はカリフォルニアのオレンジ郡に在住だそうである。

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