サスティンのためにセットネック
―― では実際の製品を、伊集院さんと見ていきましょう。まずホロウボディーですけど、ここにコストかかってません?
伊集院 手間はかかりますよ。
―― ソリッドにして薄くして共振させるんじゃダメなんですか? って蓮舫さんみたいに言いますが。
伊集院 もう、ぜーんぜん、まるっきりサウンド違いますから。それはこのギターのいちばん大事なところです。セミホロウ、トレモロユニット、そしてピックアップにコントロール系統。そこは外せません。このギターの存在意義みたいなもので、絶対に必要なものです。
―― わかりました。では、ボルトオンではなくセットネックにした理由は?
伊集院 音の良さ、サスティンで有利なこと、そして生産性の良さからです。Kz One Standardは「未来のスタンダード」にしたいギターですから、作りやすさも意識しています。
―― 一般的にはボルトオンのほうが簡単に作れるイメージもありますけど。
伊集院 レッド・スペシャルに比べれば、このセットネックの方が作りやすいということです。確かにボルトオンの方が生産性はいいし、後で調整が効くという利点もあるのですが、このギターにはセットネックのサスティンが不可欠だったんです。
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