“クラウドネイティブ対応インフラ”としてHCI/CIやオールフラッシュ「Isilon」を紹介
Dell+EMC+VMware統合の価値、「Dell EMC World」新製品発表
2016年10月25日 07時00分更新
ストレージ製品ではオールフラッシュ版「Isilon」NASも投入
ストレージ製品群についても、Dell EMCブランドの下であらためて発表、説明がなされた。こちらも、クラウドネイティブなアプリケーションを支え、オンプレミス/オフプレミスの両方に対応するポートフォリオへの拡大が意識されたものとなっている。
まず、スケールアウトNASのIsilonシリーズにおいて、オールフラッシュモデル「Isilon Scale-Out NAS All-Flash」(開発コード名:Nitro)がリリースされる。4Uサイズ/4ノード搭載の1システムあたり、最大容量924TB、25万IOPS、15GB/秒のスループット帯域幅を持つ。クラスタ最大構成時(100システム/400ノード)には、単一ファイルシステム/単一ボリュームで最大92.4PB、2億5000万IOPS、1.5TB/秒のスループットを実現すると発表している。
「(従来のHDDモデル比で)スループットが10倍、容量密度も10倍になる」(ゴールデン氏)
なお、このオールフラッシュ版Isilonも従来のIsilonと同じ「OneFS」を採用しており、NFSやSMB、HDFS、オブジェクトアクセスなどマルチプロトコルに対応するほか、既存のSAS/SATA HDD版Isilonクラスタとシームレスに組み合わせて階層化NASを構成することも可能だ。同製品は事前予約を開始しており、一般提供開始は2017年の予定。
オンプレミス向けのオブジェクトストレージプラットフォーム新版「Dell EMC Elastic Cloud Storage(ECS)3.0」においては、ECSソフトウェアが、大容量ストレージ内蔵サーバー(DSS 7000、R730xd)をはじめとするPowerEdgeサーバー群をサポートした。またECSアプライアンスにおいては、1ラック構成で最大6.2PBの容量を持つ「ECS D-Series」をリリースしている。Windows CIFS/SMBアクセスも可能になっている。
なおDell EMCでは調査会社ESGによる試算結果として、ECSの導入により、パブリッククラウドのストレージサービス比で約60%のTCO削減を実現できると発表している(アクティブストレージ、4年間のTCO比較)。ECS 3.0はすでに出荷を開始している。
バックアップストレージの仮想アプライアンス版(ソフトウェア版)製品「Dell EMC Data Domain Virtual Edition 3.0」においても、新たにPowerEdgeサーバーやVxRailでの稼働をサポートした。なおこの新しいバージョンでは、1インスタンスで従来比6倍となる最大96TBまでのバックアップに対応している。そのほか複数のソフトウェアで、クラウド階層へのバックアップに対応するアップグレードも行われている。
加えて、これまでDellが提供してきたミッドレンジ向けストレージ「Dell EMC SC」シリーズが、EMCの管理ソフトウェア/テクノロジー群に対応した。具体的にはストレージリソース管理の「ViPR」、データパス管理の「PowerPath」、そのほかDataDomain、Avamar、NetWorkerなどが、SCシリーズをサポートする。
最後にゴールデン氏は、統合によるDell EMCのプロフェッショナルサポート網の拡充にも触れた。「DellとEMCのサポート部隊が合体することで、グローバルで6万人ものプロフェッショナル、およびパートナーが獲得できた」(ゴールデン氏)。グローバルなサポート/サービス網と部品などのサプライ網を持つことも、Dell EMCの強みとして挙げられるだろう。
「このように、Dell EMCでは(従来型アプリケーションだけでなく)クラウドネイティブなアプリケーションを開発していきたいという企業に対しても、非常に魅力的な製品/サービス群を提供できる。市場でリーダークラスのサーバー、ストレージ、そしてHCI/CI製品、VMware、PivotalのCloud Foundryといったインフラとプラットフォームを組み合わせ、皆さんのアプリケーションを提供できる。今後も継続的なテクノロジースタックのイノベーションを続けていく」(ゴールデン氏)
