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Unityはじめ、DSSD、VxRailなどの新製品を説明

EMC WORLD 2016での新発表と戦略が日本でも披露

2016年05月26日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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EMCジャパンは、5月2日~5日まで、米ネバダ州ラスベガスで開催された年次カンファレンス「EMC WORLD 2016」において発表した新たな戦略について説明。「Modernize(モダナイズ)」をテーマに発表された製品群の日本における取り組みについても明らかにした。

Modern Data Centerの5つの要素

 EMC WORLD 2016の開催初日は、「Modernize the Industry」をテーマに、EMCのジョー・トゥッチ会長兼CEOや、デルのマイケル・デル会長兼CEOなどが登壇。デルによる買収後も、EMCをファミリービジネス企業群として位置づけるとともに、DellをDell Technologiesという社名に変更することを発表した。

 2日目は、既存ビジネスの効率化を中心とした「Modernize Your Data Center」をテーマに、3日目には、企業の成長のためにクラウドネイティブの世界に踏み出す「Modernize Your Business」をテーマに、それぞれ講演などが行なわれたことを報告。会期中、会場には1万1000人が参加。ネットを通じて5万3000人以上が参加したという。

 EMCは、今後の目指す方向性として、「MODERN DATA CENTER」を打ち出しているが、それを構成する「ストレージシステム」、「コンバージドインフラストラクチャ」、「クラウドソリューション」によるデータセンターの最新鋭化への取り組みについて説明。さらに、それを支える5つの要素として、「フラッシュ」、「クラウドイネーブル」、「スケールアウト」、「ソフトウェアデファインド」、「プロテクション&トラスト」を掲げ、EMC WORLD 2016では、それぞれを実現するための製品群を発表したことを示した。

目玉のEMC Unityとオールフラッシュアレイの拡充

 EMC World 2016の目玉となったのが「EMC Unity」である。EMCジャパン 執行役員 システムズ エンジニアリング本部長の飯塚力哉氏は、「EMC Unityは、すでに5月18日から出荷を開始しているミッドレンジストレージであるが、性能、容量ともに一世代前のハイエンドストレージを凌駕するものとなっている。VNXおよびVNXeを継承する製品であるが、製品系列としてはまったく別のものに位置づけている。運用や設置のシンプル化や、2Uで80TBを実現するキャパシティを持っており、ユニファイドストレージとしての機能も搭載。VNXと比べて、TCO削減において、大幅な差がある」とした。

 オールフラッシュの製品と、フラッシュとSASストレージのハイブリッド製品の2つのシリーズを用意。さらに仮想化への対応と、コンバージドインフラとして活用できる製品も用意している。最下位モデルとなるUnity 300Fの価格は、842万円からとしており、「XtremIO、VMAX3とあわせて、フラッシュ戦略を加速する体制が整う」とした。

EMCジャパン 執行役員 システムズ エンジニアリング本部長 飯塚力哉氏

 XtreamIOは、今回のEMC Worldでは大きな発表はなかったが、VMAX3ではVMAX3 All Flashを発表。2016年下期に投入することになる。ここでは、「インライン圧縮技術を搭載し、容量効率を高めるほか、7.68TBおよび15.36TBのSSDまでサポートすることになる」という。また、超高速なサーバー型フラッシュDSSDについては、2016年第4四半期にデュアルラックの製品を投入することを発表。従来に比べて2倍の容量となる288TBにまで拡張するとともに、Oracle RACに比べて、レイテンシーでは3分の1の実力を発揮するという。

DSSDはデュアルラックの製品を投入予定

 アイシロンのオールフラッシュ化を進めてきた「NITRO(ナイトロ)」では、これを2017年に市場投入することが明らかにされた。性能や容量、コスト面で大幅な性能向上が図られるほか、「IoT市場に向けて、大きな武器になる製品になる」(飯塚氏)とした。

コンバージドインフラやバックアップ、運用サービスなど

 コンバージドインフラについては、今年2月に発売したVxRailシリーズに、新たにオールフラッシュ製品を5モデルを追加するとともに、最下位機種としてVxRail 60を用意。いずれも2016年第2四半期に発売する。飯塚氏は、「最下位のVxRail 60でも、最大200VMの規模を実現できる。サーバーはひとつのアプライアンスで4ノードを搭載。1台で、vSphereによる仮想化環境でのサーバー、ストレージ環境が実現でき、必要に応じて、CPUおよび容量を拡張できる環境が整う」と述べた。

コンバージドインフラはスケールアウトの方向性に

 一方、VCE VxRack System 1000 with Neutrino Nodesは、「クラウドネイティブアプリの新たな世界を作るためのプラットフォームになる」と位置づけたほか、「OpenStackのディストリビータ版ではなく、コミュニティ版としている点が大きな特徴になる」(飯塚氏)とした。また、IaaSとしての提供だけでなく、Pivotal Cloud Foundryとの組み合わせによって、PaaSとしての提供も行なうほか、ライトVMであるVMware Photonに対応した製品も用意する。日本を含むアジアパシフィックでは、2017年に発売する予定だという。

OpenStackを採用したVCE VxRack System 1000 with Neutrino Nodesを追加

 バックアップソリューションとなるEnterprise Copy Data Management(eCDM)は、スナップショットやコピーとなども一元的に管理、可視化することができる。XtreamIOやVMAX3、VMAX All FlashなどのEMCのストレージ製品やデータドメインにまたがる包括的なコピーデータ管理が可能であり、高度な分析に基づいた最適なオペレーションをプロアクティブに提案。サービスレベル定義に応じて、コピーデータを生成、維持できる。「アプライアンスを介さずに、クラウドプラットフォームでの保管が可能になる。クラウド時代の高拡張性と自動化による効率的な長期保管を実現する」とした。

 さらに、MyService360では、「保守に関するグローバルサービスとして提供するものであり、導入した製品の障害履歴、解決履歴、保守契約情報などを一元的にWebで管理できる無償のサービスとなる。顧客満足度を高めるためのサービスになる」(飯塚氏)とした。

日本でもオールフラッシュは3桁の企業に導入

 EMCジャパンの大塚俊彦社長は、「私は年初に、今年はオールフラッシュの年にしたいと語ったが、予想を上回る動きを見せており、日本においても3桁(100社以上)の企業に導入。金融、製造、流通、通信、公共など幅広い業種に対して導入が進んでいる。また、VDIだけでなく、アナリティクス、仮想基盤、各種データベースなど、幅広いワークロードで利用されているのも特徴だ。これまで、フラッシュは速いということを特徴として導入されていたが、電力使用量の削減をはじめとしたトータルコストメリットや、ミッションクリティカルでの活用も進んでいる。オールフラッシュの動きは、今年後半に向けてますます加速していくだろう」と述べた。

EMCジャパンの大塚俊彦社長

 さらに、「コンバージドインフラも進化しており、VCE VxRack System 1000 with Neutrino Nodesにより、トラディショナルシステムとクラウドネイティブの環境を両立するコンバージドインフラ環境が整った。今後、クラウド時代の完成型装置として、導入がいよいよ本格化していくことになるだろう」とも語った。

 また、VBLOCKを導入したユーザーからは、ダウンタイム時間を96%削減したり、新たなサービスの導入において4.4倍の短時間化したりといったメリットが出ていることなどを示しながら、今後、コンバージドインフラの導入が進展する可能性を示唆した。

 クラウドソリューションとしては、「今年のEMC Worldでは、Native Hybrid Cloudという新たなリファレンスを提供でき、Enterprise Hybrid Cloudによるトラディショナルと、Native Hybrid Cloudによるクラウドネイティブとの両立が可能になった。エンタープライズクラウドにおいては、コスト低減に加えて、デジタルビジネスの加速に対応した俊敏性が求められている。昨年買収したVirtustreamも、2016年第4四半期には、VIRTUSTREAM STORAGE CLOUDとして投入することができる。日本での展開についてはその時期が来たら発表したいが、日本においては、パートナーと連携した形で提供するものになる」などと述べた。

Native Hybrid Cloudのラインアップ

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