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IsilonがGCP上のサービスに、開発中モジュラー製品もチラ見せ、「Dell Technologies World 2018」レポート

“世界最速”「PowerMax」ストレージなど、Dell EMC新製品まとめ

2018年05月14日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 2018年4月30日から5月2日、米国で開催された「Dell Technologies World 2018」。会期中にはDell EMCからいくつもの新製品群が発表され、展示会場でもその実機を披露しつつ特徴がアピールされた。

 ストレージ製品群が全面的に刷新された昨年と比べると、数のうえでは“おとなしめ”という感は否めない今年の発表だったが、それでも“世界最速”のティア0ストレージ新製品、高密度GPUサーバー、開発中のモジュラーインフラなど、戦略的な発表が相次いだ。今回はDell EMC関連の主要新製品について詳しく紹介する。

新製品がいち早く披露された展示会場も多くの人でにぎわった

2日目基調講演でDell EMC新製品群を発表したDell Technologies 副会長 Products&Operationsのジェフ・クラーク(Jeff Clarke)氏。新製品のPowerEdge R840(左)とR940xaも紹介

NVMe over Fabric+SCM、機械学習による最適化で最速を実現「PowerMax」

 今回、さまざまなDell EMC幹部が講演のなかでこぞって言及したのが、オールフラッシュストレージアレイの新製品「Dell EMC PowerMax」シリーズだ。PowerMax 2000および8000の2シリーズが発表されている。

VMAXファミリーのポートフォリオに追加されたオールフラッシュアレイ「PowerMax」

 構成単位となる10Uサイズの1ブリック(Brick)は2台のコントローラ、2台の24スロットドライブアレイ、ソフトウェアで構成され、2000は最大2ブリック、8000は最大8ブリックまで拡張できる。最大容量は1.0PB(2000)/4.0PB(8000)となる(いずれも重複排除/圧縮適用時)。重複排除/圧縮用のハードウェアアクセラレータを搭載しており、パフォーマンス劣化なしで最大5倍のデータ削減率でインライン処理ができるという。

 同社 コアテクノロジーマーケティング担当ディレクターのシェーン・ムーア氏によると、PowerMaxはハイエンドストレージ「VMAX」ファミリーのポートフォリオに追加された製品であり、ティア0ストレージの次世代モデルとして開発された。PowerMax 8000の場合、最大1000万IOPS、スループット150ギガバイト/秒、レイテンシの従来比50%削減を実現すると発表されており、同社では“世界最速”をうたっている。

PowerMax 8000の展示筐体

 昨年の「Dell EMC World 2017」では、VMAXのオールフラッシュ構成モデルである「VMAX 950F」が発表されていたが、これは従来のVMAXにフラッシュドライブを搭載したものだった。今回のPowerMaxはこれとは大きく異なり、最新のフラッシュ技術に追随するかたちで、特にハードウェアのアーキテクチャを一から開発し直したという。

 具体的な改良点としてはまず「エンドトゥエンドのNVMe対応」が挙げられる。単にNVMeドライブを搭載しただけでなく、「NVMe over Fabric(NVME-oF)」プロトコル対応によって、NVMe-oF対応ホスト(サーバー)からストレージネットワーク、内部バスやフラッシュドライブまで、エンドトゥエンドですべてをNVMeプロトコルで処理するアーキテクチャに刷新されている。さらに、来年前半をめどに低レイテンシの不揮発性メモリであるSCM(Storage Class Memory)もキャッシュとして搭載可能になる予定だ。

 「PowerMaxの新しいアーキテクチャは、単にNVMeドライブをサポートしただけのものではない。古いシステムにNVMeドライブを搭載しただけでは、その性能を引き出せないからだ。ホスト接続のフロント部分からアレイ内部まで、エンドトゥエンドでNVMeに対応している」(ムーア氏)

高速なフラッシュドライブを搭載しても、従来のアーキテクチャ(左)のままではボトルネックが生じる。NVMe over Fabricはそのボトルネックを解消する(画面は解説ビデオより)

 さらに、データスループットを最適化する機械学習エンジンも採用している。これは、データのI/Oパターンから、データをフラッシュストレージ階層(SCMキャッシュ、NVMeストレージなど)のどこに配置すべきか、重複排除/圧縮処理を行うべきかどうかを推論ベースで判断し、自動的にパフォーマンスの最適化を図るものだ。VMAXなどで従来提供してきた「FAST」テクノロジーの進化版とも言えるだろう。

 Dell EMCのストレージSVPであるボブ・デクレシェンゾ(Bob DeCrescenzo)氏は、10年以上にわたり数十億ものストレージI/Oパターンを研究してきた結果、「90%のI/Oは10%のデータから生み出される」ことがわかったと語る。PowerMaxの機械学習エンジンが「1日あたり4000万のデータセットに基づき60億回の判断、予測を行う」(デクレシェンゾ氏)ことで、どのデータをキャッシュするかを決定し、小容量のSCMを追加するだけで大きなパフォーマンス改善効果が得られるようになると説明した。

機械学習エンジンがI/Oパターン認識と予測分析を行い、データの最適な配置を自動で決定する(画像はデータシートより)

 一方で、VMAX OSをベースとした「PowerMax OS」を開発、採用しており、従来からのVMAXが備えていたエンタープライズ向けの成熟したエンタープライズ向けのデータサービスや高信頼性も受け継がれている。「ここも重要なポイントだ。これまでVMAXを利用してきたミッションクリティカルなアプリケーション群に対し、引き続きハイエンドの安定性を提供していく」(ムーア氏)。

 なおPowerMaxは米国で提供を開始している(日本では未発表)。またコンバージドシステム「VxBlock System 1000」におけるPowerMaxのサポートは今夏を予定している。

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